体制固まる

もともとコンサドーレというチームは、積極的な補強をあまりやらない傾向が強いチームでした。まぁ昔は「積極補強したくてもお金がないので無理」という現実的な理由も大きかったのでしょうが、そこそこお金が増えてからも、現有戦力を大きく入れ替えない方針を続けているように見えます。昨季なんて、新加入選手は新卒&ロマンだけでしたからね。

とはいえ、今季はシーズン中の移籍で3人、シーズン終了時点で契約満了と引退で4人と、都合7人の選手が退団することが発表された他、12月29日には白井康介選手が京都サンガFCへ期限付移籍することも発表。さらに、年が明けてから濱大耀選手と藤村怜選手の2選手が、それぞれカターレ富山とモンテディオ山形へ期限付移籍することが発表されました。

合計10人がいなくなることになった一方で、加入選手は12月28日に中村桐耶選手の復帰と、元旦に小野伸二選手の帰還というお年玉はあったものの、すでに発表済みの新卒選手と大八くん、大谷モノノフさんを加えても7人。

どう見ても人数が足りないので、さすがにこれで終わりってことはあるめえ? とサポーターも気を揉んでいたのですが、本日FC東京の柳貴博、名古屋グランパスの青木亮太、ナイジェリア国籍のガブリエルオケチュクの3選手の移籍加入が発表されました。しっかり水面下で動いていたマッドアングラー隊。

柳選手は1997年8月5日生まれの23歳。FC東京のアカデミーから昇格。昨季はベガルタ仙台に期限付移籍し、主にサイドバックとして22試合に出場。1ゴールを挙げています。札幌では3バックの一角に入ると思われますが、そうするとミンテ、タナシュン、福森、桐耶、大八くん、柳さんというメンツとなりますので、いい競争が生まれそうですね。

青木選手は1996年3月6日生まれの24歳。流通経済大付属柏高から2014年に名古屋に加入。昨季は途中から大宮アルディージャへ期限付移籍していました。大怪我で長期離脱をしていた時期もありますが、2017年には26試合11ゴールを挙げる活躍をしている攻撃的MF。札幌ではシャドーが主戦場になるでしょうか。ここもチャナ、ネコタクくん、小柏くん、荒野パイセン、伸二さん、アンロペ、ドドちゃんと激戦区となりますね。

そしてガブリエル選手。1995年8月26日、ナイジェリアはラゴス生まれの25歳。Transfermarktによれば、ナイジェリアのウォーターFCのアカデミー出身で、2014年、19歳でマルタリーグ2部のセントジョージFCへ期限付移籍、2015年にウクライナリーグ1部のFCカルパティへ移籍後、2016年にはナイジェリアリーグ1部のアクワユナイテッドに移籍、2018年にモロッコリーグ1部のウィダードACに移籍後、2019年に同じくモロッコリーグ1部のSCCチャバブへ期限付移籍…という経歴を経て札幌までやってきました。

一応ナイジェリアのA代表歴(5試合2ゴール)があるので、ロマン枠扱いするのは申し訳ない気もしますが、クラブ遍歴はだいぶロマン風味が強い印象ですよね。前所属のウィダードACはすでに退団しているようですので、移籍金もおそらくかかってないものと思われます。

Jリーグのアフリカ出身選手といえば、最近では何と言っても柏レイソルのオルンガ選手ですが、そのオルンガも日本に来る前は、代表歴もあるのにクラブ遍歴はスウェーデン(かつてキリノがいたユールゴーデン)→中国→スペインの昇格チームと割と地味で、しかもそんなに目立った活躍をしていたわけではないですし、目立つ活躍をしてればとっくに欧州の大きなチームに買われているでしょうから、経歴はそのくらい地味目なほうがいいのかもしれません。

オルンガの再来を狙うのが新時代のロマンの形であるならば、ガブリエル選手にも是非ロマンガとなってほしいものです。その場合、晴れて来季も赤黒な、我らが元祖ロマンのドドちゃんの強力なライバルとなるでしょうが、切磋琢磨しあってレッツロマン。

そんなわけで、出入りをまとめると以下の通りとなります。

IN OUT
小柏剛 明治大 クソンユン 大邱(韓)
中野小次郎 法政大 鈴木武蔵 ベールスホット(白)
中島大嘉 国見高 檀崎竜孔 ブリスベンロアー(豪・期限付)
中村桐耶 Honda FCより復帰 カウィン 期限付移籍満了
小野伸二 FC琉球 ウーゴヴィエイラ 契約満了
岡村大八 ザスパクサツ群馬 石川直樹 引退
大谷幸輝 アルビレックス新潟 早坂良太 引退
柳貴博 FC東京 白井康介 京都サンガ(期限付)
青木亮太 名古屋グランパス 濱大耀 カターレ富山(期限付)
ガブリエルオケチュク ウィダードAC 藤村怜 モンテディオ山形(期限付)

上記以外の選手も無事みんな契約合意が発表され、これにて補強は終了ということなのでしょう。大八くん以外は事前の噂すらなく、やきもきさせられたものの(情報統制できているということなので悪いことではないのですが)、蓋を開けてみれば、人数的にもプラマイゼロなばかりか、試合に絡めていなかった濱くんとふじれんを武者修行に出し、J1レギュラークラスを完全移籍で獲得できたのですから、申し分のない補強と言えるでしょう。

もっとも、我々が北海道コンサドーレ札幌のサポーターである以上、選手補強に関しては決して消えないカルマを背負っているので、来年の開幕戦を迎えるまでは決して安心できないのですが。