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伯剌西爾監督 |
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2003/08/17 |
母さん、ぼくのあの監督、どうしたんでせうね?
ええ、夏、新潟から札幌へゆくみちで、ブラジルへ帰ったあの伯剌西爾監督ですよ。 母さん、あれは好きな監督でしたよ。 ぼくはあのときずいぶんくやしかった。 だけど、いきなり5点も取られたもんだから。 母さん、あのとき、向こうから若いゴールキーパーが来ましたっけね。 深緑のユニフォームに手袋をした。 そして救おうとして、ずいぶん骨折ってくれましたっけね。 けれど、たうたうだめだった、 なにしろ深い闇で、それにケガ人が1チーム分くらい出たんですもの。 母さん、ほんとにあの監督どうなったでせう? そのとき傍らに咲いていたパスワークのサッカーはもうとうに枯れちゃったでせうね。 そして、秋には、灰色の霧があのドームをこめ、このチームの下で毎晩サポーターが泣いたかもしれませんよ。 母さん、そして、きっと今頃は、 今夜あたりは、あの谷間に、静かに雪がつもっているでせう。 昔、つやつや光った、あのスーツ姿の監督と、 その裏にぼくが書いたJ.C という頭文字を埋めるように、静かに、寂しく。 |
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