2017年YBCルヴァンカップグループステージA第2節
清水エスパルス 0-1 北海道コンサドーレ札幌
一昔前は、「静岡アウェイ」なんてイヤな思い出しかなかったんですよ。Jリーグに昇格した1998年は開幕戦で清水エスパルスと当たって4点取られて負け、磐田でもゴン中山にギネス記録(当時)となる4試合連続ハットトリックの総仕上げを献上したのを皮切りに、2001年も日本平では5失点のたこ殴りに磐田ではロスタイムに追いつかれてVゴール負けなど心身ともにダメージの深い負け方をするなど、J1ではカップ戦含めてともに6試合ずつの対戦で、一度も勝ったことがないばかりか、対清水は4得点18失点、対磐田は3得点22失点と惨憺たる成績でした。
それが、彼らがJ2に落ちてきた途端、「J2の先輩」というあんまりかっこよくない立場のくせにむやみにオラついた札幌が、磐田にも清水にもアウェイで初勝利を挙げただけでなく、J1での再戦となった今年、カップ戦とはいえ静岡アウェイ2連戦で2連勝しちゃうんですから、わからないものですね。
けが人続出の中、FC東京、川崎フロンターレ、浦和レッズと強豪との対戦が続く中でのカップ戦です。ルーキーの濱大耀のみならず、二種登録の藤村怜くん(U-18)を学徒動員してメンバーをなんとかやりくりしている状況です。直接残留には影響しない試合ですから、四方田監督としては内心「引き分けなら御の字」という目論見でいたはずです。
実際、攻撃面でも人数をかけるシーンはそれほど見られませんでしたし、
しかし後半12分に宮澤裕樹を下げ、横山知伸をボランチとして投入したあたりから少し空気が変わり始めます。
チームの心臓部である宮澤裕樹を割と早い時間に下げて、守備的なイメージの強い横山さんを投入したわけですから、普通ならば「このまま0-0」というメッセージです。
ところが、本職はボランチながらここまではいつもチーム事情でセンターバックの真ん中をやっていた横山さん、今日は河合さんが後ろにいるからなのか、あんまり空気を読まずに攻撃面でもガンガン顔を出し始めました。
たまに試合終盤になると空気を読まずに前線に上がってはあんまり報われずにしょんぼり帰ってくるキム・ミンテが「ああ、あれは俺がやりたいのに...」と恨みがましい目で見ているのも気づかず、後半30分にはあとから小野伸二に代わって入ってきた早坂様が入ってくると、彼と組んで割と好き放題になってきました。
そして、後半38分、この日ゲームメイクに大活躍だったガースーからのコーナーキックを、普段からまったく空気を読まない進藤亮佑のヘディングが決まりゴール。
彼のことですからきっと「俺、プロでゴールしたらサポーターに向けてかっこいいパフォーマンスをするんだ...」という願望を抱いていたに違いないのですけど、そんなことをチームメイトが許すはずもなく、ゴールしてかけだした瞬間味方のマークが殺到。チームメイトが全員全盛期の芳賀さんになったかのような「芳賀ラッシュ」でもみくちゃにされて終わりました。
「鬼門静岡なんて知ったことか」みたいな空気の読まなさこそが勝因だとするなら、ゴールを挙げるべき人がゴールしたという言い方もできるのかも知れません。まぁ、空気を読まないことで有名な進藤亮佑も、ヒーローインタビューではさすがにアウェイの空気を読んでましたけどね。
ともあれ、これで2連勝でなんとなんとのグループ首位。まだグループリーグは4試合残っているので何ともいえませんけど、そのうち3試合がホームゲームですからね。ひょっとしたら、ひょっとするかもしれません。
でももしひょっとしたとしても、札幌にとっては割とうれしい悲鳴になってしまうので、この際ですからプレーオフやノックアウトステージに進む権利を放棄する代わりに、ゲットした勝点をリーグ戦に加算できたりしないですかね。しませんか。そうですか。そこをなんとか。