2017年明治安田生命J1リーグ第6節
北海道コンサドーレ札幌 2-1 FC東京
J1第6節は、札幌ドームにFC東京を迎えての試合。前節、残留争いの直接のライバルと目されるヴァンフォーレ甲府に痛い敗戦を喫してしまった札幌ですが、今節からは第5節終了時点で5位のFC東京、同じく6位の川崎フロンターレ、4位の浦和レッズと上位チームとの対戦が続く正念場です。
こちらの星勘定(というか皮算用)としては「上位陣には全敗してもいいからライバルチームには確実に勝つ」という目論見だったのに、甲府にコロッと負けたもんだから、そのぶんをどこかで取り戻さないといけなくなったわけですよ。
そのぶんをここで取り戻そうとするにはちょいと相手がつよすぎますし、今回対戦するFC東京とは、東京がJ2だった2011年の最終戦で勝った印象が強いですけど、J1ではこれまで8度の対戦して全部負け。相撲だったら中日ですでに負け越し確定でそのまま休場レベルの真っ黒状態のみならず、その8試合合計で5得点23失点という惨憺たる成績。苦手なチームの一つです。まぁ得意なチームなんてないですけど。
かといっていくら相手が悪いと言っても、甲府戦を合わせて4連敗みたいなことになっちゃうと、ちょっと自信をなくしかねませんから、せめてこの3連戦、2つあるホームでは最低限引き分けでしのぎたいところだったのですが...。
勝っちゃいましたね。
前半8分にマークミスから東慶悟にゴールを許し先制されたものの、その後は札幌が試合のペースを掴み、42分にジュリーニョのヘッドで同点に追いつくと、59分には荒野のクロスからのこぼれ球を拾ったジュリーニョのシュートが至近距離で室屋に炸裂、その跳ね返りを拾った兵藤が、クリティカルヒットを受けて倒れていた室屋のおかげでオフサイドにも引っかからずどフリーだったとっくんこと都倉賢にパスし、これをとっくんが冷静に決めるというとても鬼畜なゴールで逆転。
その後いくつかあったチャンスは東京GK林彰洋の好守に阻まれ追加点は奪えなかったものの、ガッツリ守りに入った札幌が逃げ切り、望外の勝利を得ることができました。
ただ彼我の戦力差から見れば望外の結果ではありますが、内容的にはこれまでの勝利...っつってもリーグではまだサンフレッチェ広島戦しか勝ってないですけど、それと比べても「勝つべくして勝った」というところはこれまで...つっても広島戦だけですけど、大きく違うと思います。
開幕直前に怪我をして離脱していた「遅れてきた男」早坂良太が予想以上のパフォーマンスを見せサイドで主導権を握ることができたこと、ここまでいまいち調子の上がってこなかったジュリーニョが去年のようなボール扱いを見せていたこと、ヘイスや金園がいないぶんマークが集中する中、東京の代表クラスのセンターバック2人を相手にとっくんがほとんど勝っていたあたりは好材料だったでしょうか。
あとは宮澤ですかねぇ。もともと去年あたりから「10番で主将」の貫禄を見せてはいましたけど、兵藤や早坂といった試合を読む能力に長けた選手が「彼がパスを出したいところにいる」ことで、持ち前の展開力や視野を生かせるようになった気がします。あんまり派手なプレイをするわけじゃないですが、気がつけば生え抜きとして加入して10年目。王様になってもいい頃合い。
もっとも、中身は「プロになるのが怖くてこっそり就職しようとしたり、北海道から出たくないから道外からのオファーを蹴った」引っ込み思案な宮澤くんのままなのでしょうけど。
まぁジュリーニョに好きなスペースを与えてくれたり、代表に呼ばれるくらいなのにとっくん相手にほとんど負けてたりとか、東京も5位とは思えないほどなんでかフワフワした感じであったのは事実で、ライブのオタクコールじゃないんだからそんなにフワフワすんなよとも思うのですが、去年から札幌がやってきたやり方が、けが人続出の中でも力のある相手にも通用したというのは大きいんじゃないかなと思います。
ただでさえ戦力的にはJ1でも下のほうなのに、主力にけが人は多いのは相変わらずなので、決して楽観視できる状況ではないのですけど、チームとしての軸がぶれさえしなければ、この先も大崩れはしない。たぶんしないと思う。しないんじゃないかな。ま、ちょっとは覚悟しておけ。