明けましておめでとうございました。
昨年はもう仕事納めというところで、DF奈良竜樹選手のFC東京への期限付き移籍が発表されました。2011年に二種登録選手ながらトップデビューし、以後レギュラーとして活躍、昨年は1対1ならほとんど負けないだけでなく、ビルドアップ面でも大きく成長を見せていました。そんな姿を見るにつけ、そう遠くない未来に札幌を出て行く選手であることはなんとなく感じてはいました。それが今年であったことは我々にとっては早い気がしましたが、2016年のリオデジャネイロ五輪のことを考えれば、彼にとっては決して早くないということなんでしょうね。
というのも、この世代には奈良くんの他にも岩波拓也(ヴィッセル神戸)、植田直通(鹿島アントラーズ)、遠藤航(湘南ベルマーレ)といった、所属チームでレギュラーとしてバリバリ試合に出ているセンターバックがおります。彼らの所属チームはみなJ1。遠藤は代表では中盤を担うことが多いですし、ここ最近の使われ方を見る限りは、U-21代表の手倉森監督からの奈良くんの評価は決して岩波や植田に劣るものでもないようですが、さりとてレギュラーが保証されているというわけではもちろんないでしょう。
奈良くんが将来の海外移籍を考えているのであれば、過去何人もがそうしてきたように、五輪などの国際大会の試合で活躍するのが一番の近道です。ただし、彼の務めるセンターバックは、戦術的な交代が多い攻撃的ポジションの選手と異なり、アクシデントでもない限り試合途中で交代が行われることはほとんどないポジション。レギュラーと控えの間にある差は、我々が思っている以上に大きいはず。本大会でオーバーエイジを使う可能性があることも考えれば、ますますその差は広がるでしょう。
今年の3月にはアジア予選が始まり、アピールの機会はそう多く残されていない中で、代表レギュラー定着を狙うのであれば、少なくとも今の時点で彼らレギュラー陣と同じ土俵に立っていなければいけない(J2で無双していてもあまり意味がない)、ということなのでしょう。
どうせならレンタルじゃなくて完全移籍で移籍金たんまり残して欲しかったというのが偽らざる本音ですが、それなら五輪代表のレギュラー取って本大会で活躍してその年の内に海外移籍して、育成補償金をきっちり残してくれればいいです。友情より大事なものは金だと高宮なすの先輩も言っていましたし。ただし、我々は代表では荒野を全力で応援するのでそっちまで応援してる余裕はないものと思え。
海外移籍と言えば、年が変わり、コンサドーレ札幌を運営する北海道フットボールクラブも仕事始めとなった1月5日、契約更新選手の発表があり、昨季からの所属選手のほとんどは無事契約更新となったのですが、大方の予想通り「あのお方」の名前がありませんでした。先月からスペインの「ラマンガ・クラブハイパフォーマンスセンター」なるプログラム(?)に参加しており、12月いっぱいで帰国する予定を、1月上旬まで伸ばして海外クラブのオファーを待っているようです。
まぁそれはいつものことなんでいいんですけどね。このラマンガなんちゃらというのは、道新スポォツによれば「各国から集まった選手が専属スタッフの指導を受けられる育成システム」ということで、それだけ聞くと「生徒の半数以上をアジアからの留学生が占める福祉関係学部しかない地方大学」みたいなイメージしか湧かないのですが、そんなんでオファー来るモンなんでしょうかねえ。