2014年J2第7節
大分トリニータ 1-0 コンサドーレ札幌
得点者:札幌/おりませんでした
大分/末吉
4月最初の試合を勝ちで飾ったコンサドーレ札幌は、大分トリニータとのアウェイ戦を迎えました。2013年J1で戦った大分は、その前年に史上最速降格を華麗に決めてJ2に凱旋してきた札幌の降格速度こそ破れなかったものの、その札幌ですら破ることができなかった年間最低勝利数(湘南ベルマーレの持つ3勝)を更新する、わずか2勝という記録を樹立し、故郷J2に戻ってまいりました。2011年以来3年ぶりの対決となる「最弱チーム対決」ですが、その血の滲む思いで樹立した両チームの記録すら、あらかた塗り替える勢いで驀進している徳島ヴォルティスを見ると、改めてJ1って怖いところだと思います。
さて、札幌は上位を狙うためにはこのあたりで連勝が欲しいところですし、他カードの結果次第では、最高で2位まで順位を上げることができるだけに、ここは是非とも勝っておきたい試合だったのですが...。結果は負け。
まぁ2位と言っても札幌に一番都合がいいように妄想した場合であって、言ってみればクラスの女子が全員自分に惚れるくらいの感じなんで、世の中そうそううまくはいかないのはわかっていますが、、実際のところ終わってみたら札幌が勝ってれば3位にはなれていたという、割とそれに近いくらいの感じになってたんですよね。まぁ肝心の札幌がころっと負けたんで、自らフラグをへし折ったみたいな形になりましたけど。もったいなかったですね。
エース内村圭宏が前節松本山雅戦の試合中に負傷、この試合も欠場となった札幌は、そのうっちーとの途中交代で決勝ゴールを挙げた都倉賢が今季初スタメン。彼自身優れたストライカーですから能力的にはまったく問題はないのですが、札幌の対応力には多少問題があったようです。うっちーといくら選手ではプレイスタイルもエリアも違うのに、同じような感じで展開してもうまくいくはずもありません。
それでも試合終盤まで五分五分の試合に持ち込むことができれば、相手も焦れてスキが生まれる可能性もあったんでしょうけど、前半8分に大分MF末吉にきれいなミドルを決められてぽこんと失点。ディフェンスのマークがずれてスペースを空けていたことでシュートを狙う余裕を与えてしまったせいもありますが、ホスンでも触れないゴール右隅ギリギリに決まる見事なシュート。末吉なんておみくじ的にはあまり運のなさそうな名前なのに。彼に対抗するためには博多大吉さんでも連れてこないといけないですね。
こうなるとホームの大分が余裕を持って試合を進められるわけで、札幌としてはそうでなくてもあまり噛み合ってない攻撃がなお一層噛み合いません。湘南や松本みたいにそんなに前からプレッシャーをかけてこないため、ボールを運べることは運べるのですけど、がっちり固められた真ん中をこじ開ける力も工夫もないのが痛いところ。
前半25分には、ルーズボールをあきらめずに追っていった南上原がライン際でクロスを上げ、詰めていた石井謙伍が押し込みますが、折り返しの時点でラインを割っていたということでノーゴール。まぁ、中継でもはっきり割ってましたからね。昔逆の立場で、同じようなシーンで完全に割ってたのを見逃されてゴールを認められたことがありましたけどね。
おおまかなところでの見所といえばこのシーンくらいで、石井謙伍の姿が確認されたのもこのシーンくらい。砂さんもあまり調子がよくなかったんですが、砂さんはまだボールを持ってはいましたからね。
ボールを持つことすらないのでは別にピッチにいなくてもいいというか、むしろ1人減ってる分いないほうがいいというか。なんか5年前と同じこと言ってる気がしますよ。なんか変わったんじゃなかったんですか。
後半は頭から砂さんに代えて菊岡を、18分には石井に代えて古田を投入するも、あまり流れは変わらず。菊岡さんはともかく古田はまだトップフォームには程遠いというか、本調子じゃないですね。まぁ彼はもともと積極的にボールを触って調子に乗るタイプなので途中交代だとあまり持ち味を発揮できないというところはあるんですけど、今のところ試合に出てる割りにはパッとしたところを見せられていない石井謙伍からポジションを奪えてないことからも、もう少し時間がかかるのかもしれませんね。というかここのポジション一番人が多いはずなのに、みんなどうしたんでしょう。
まぁそんな古田もボールをそんな触らないうちに、元韓国代表FWチョンソンフンを投入したことで、実質封印されたも同然。右サイドバックの日高を下げて190cmの巨漢FW入れたら、当然やることは大作戦しかないわけで、そうなったらボール持って仕掛けてなんぼの選手が活きるシーンなんてあるはずもなく。なんでしょうね、このイタリアンのコース料理の中に突然わかめそばが出てきたような感じのモヤモヤ感は。
しかしまぁ、いくらさんとソンフンでツインタワーするなら、いっそのこともうパウロンも上原も上げちゃって、実況のアナウンサーが「あーーーーーーーーっとこれはまるで札幌の万里の長城だーーーーーーーーー!!」とキン肉マンのアナウンサーみたいに叫ぶくらいは徹底して欲しいですよね。守備? んなもんパウロンが走ってなんとかすんだろ(適当)。何試合かと引換えになるかもしれませんけど。
結局、それでも大したチャンスは作れず時間だけが過ぎていき、終了間際のコーナーキックからの展開で、上がっていたイホスンがヘディングシュートを見舞うという割と珍しいシーン(ただしシュートは枠外)が見られたのがよかったくらいで、試合はそのまま0-1で終了。レフェリーも若干ホーム寄りだったかなぁというきらいもありましたが、まぁ全体的には悪いジャッジではなかったので、要するに札幌が圧倒的にしょぼかったってことですね。
選手個々人が手を抜いてたとは思いませんけど、砂さんとうっちーのホットラインがないとこんなに攻撃に手詰まり感が出るとは思わなかったですね。小野伸二がやってきて上里が復活できればもっとボールの出所は増えるんでしょうけど、もう少しいろんな意味で臨機応変に戦える器用さを身につけないと、上に上がれても苦労するだけですからねぇ。