2014年J2第6節
コンサドーレ札幌 1-0 松本山雅FC
得点者:札幌/都倉
松本/なし
3月を2勝1敗2分、順位としては7位タイと、まずまずな成績で乗り切りました。終わってみればもう少しやれたんじゃないかなという気もしないでもないですが、それは結果論ですし、去年の同じ時期にガンバ大阪が勝点7だったことを考えると、ペースとしては悪くはありません。
もっとも、その去年の同じ時期に6位までにつけていたチームで最終的に昇格したのが首位だったヴィッセル神戸だけですし、2位と4位につけていたガイナーレ鳥取とカターレ富山の最終順位がげれっぱと18位だったことを考えると、まぁやっぱりこの時期の順位は本気でアテにならないわけですけどね。
で、今節の相手は現在3位につけている松本山雅FC。ここまでの勝敗は2位につけるジュビロ磐田と同じ3勝1敗1分けですが、山雅の対戦相手が札幌がここまでで戦ってきた相手よりも多少力の劣る相手だったこと、首位湘南にはタコ殴りにされていることからも、力関係としてはそこそこ割と似たような感じなのかもしれません。果たして、試合はだいたいそんな感じの内容でした。
この試合、センターバックに前節までスタメンを張っていた奈良・薗田コンビではなく、奈良・パウロンのコンビで臨んだ財前監督。おそらく憎たらしいほど相手を研究し尽くす松本山雅・反町康治監督に対抗するため、敵はもちろん味方にさえ予測不能な動きをするパウロンをリーサルウェポンとして入れたに違いないのでしょうが...。アホみたいな身体能力を誇る一方で、その有り余る能力に身体がついてこないのかしょっちゅうケガをするパウロンが、試合に出られる姿を見られるとは思ってなかったサポーター多数(俺含む)。
それにしてもケガから復帰して以来、櫛引一紀、薗田淳、パウロンと既に3人も相方が代わった奈良くん、水谷豊以上の相棒変わりっぷりですね。噂の刑事くらいの安定コンビのほうが楽なんでしょうけど、こういう経験はきっと代表などでも役に立つでしょう。たぶん。それ以外のメンバーは前節と同じ。
開始からペースを掴んだのは松本山雅。中盤からの積極的なプレスでボールを奪い、シンプルに前線にボールをつなぐスタイルで、札幌ゴールに迫ります。札幌は相手のシステムへの対応に戸惑ったかサイドでマークが曖昧になることが多く、後手後手な対応。特に中盤で自在に動く岩上を捕まえることができず、岩上がスローインを入れて岩上がシュート打って終わるというわけのわからない状況まで生まれる始末。ただそれでも枠に飛んだシュートはGKホスンがキッチリと止めて失点は許さず、途中なんかゴール裏のサポーターが知らない選手にブーイングをしてた気がしますが気にしない。
ただ今季の札幌は攻撃がどうも噛み合わないのか、昨季に比べても極端にシュートが少なくなっており、この試合でもなかなかシュートまで持っていけません。この試合でもなかなかペナルティエリアまで入れず、散発的なミドルシュートをあさっての方向に繰り出す程度。それでも砂さんやマエシュンを中心に惜しい形までは作れるのですが、味方に合いません。
前半終了間際には、マエシュンが3人を引きつけてどフリーの石井謙伍にパスを通すものの、このボールを焦ってダイレクトでしょぼしょぼなシュートを打って萎え萎え。点取り屋ではないことはわかってますけど、こういうのはせめて枠に飛ばしてほしいんですがねぇ。ワントラップする余裕もあったでしょうに。
そんなわけで札幌ももったいないチャンスを逃した上に、前半終了直前には2戦連続得点中と調子が上向いてきたエース内村が足を痛めて都倉賢と交代するアクシデントも発生。前半は0-0で終了します。
後半は多少札幌も持ち直したのと、やはり前半飛ばしすぎたのか松本の運動量も多少落ち着いたせいか、徐々に札幌がペースを握り始めます。後半7分には都倉からのパスを上原が追いつき、低いクロスに飛び込んだ石井が頭で合わせますが、このボールをギリギリで相手GK村山のファインセーブにあいゴールならず。
そして15分、カウンターから砂川誠が右足アウトサイドで相手GKとDFの間を狙ったロビングのパスに、都倉が相手DFとボールの間にうまいこと身体を入れて持ち前の身体の強さで相手をはじき飛ばし、ボールを奪い取るや振り向きざまに強烈なシュートを放つと、ボールはGKのニアサイドをぶち抜きゴールイン。札幌に移籍してきたその日に大盛りのいくら丼をTwitterにアップしたことから、「いくらけん」の名がついた都倉選手の待望の札幌初ゴールで先制しました。
さて、松本にとっては厳密に言えばDFの対応ミスとも言えるのですが、崩されたわけではないのに失点したというのはやはり精神的なショックは少なからずあるのでしょう。もともと止まりかけていた足がピタッと止まってしまい、おおよそ札幌ペースになります。
ただ2点目を取るチャンスもあったのですが、ここでダメを押す力はまだないんでしょうかね。後半39分には宮澤の限りなくシュートに近いクロスをペナルティエリアで待ち構えていた都倉がトラップ。ここで素直にダイレクトでプッシュしていればよかったんでしょうけど、思った以上にぴったりと足もとに入ってしまったため、かえって難しい体勢になってしまい、それでもうまくシュートを打ったもものの、ボールはギリギリ枠の外。無念。
それでも残りの時間はほぼ危なげなく切り抜け、マエシュンの不思議なクロスやパウロンのあり得ないヘディングクリア、奈良くんの塩沢おんぶなど無駄に見所の多かった試合は1-0で終了。札幌は今季3勝目で6位に浮上しました。
あ、パウロンはフル出場です。途中鼻血でピッチを退いた時にちょっと何かを期待をしたのは自分だけではないと思います。