2014年J2第4節
コンサドーレ札幌 3-0 ギラヴァンツ北九州
得点者:札幌/内村x2.5、上原(慎)
北九州/なし
開幕から3試合を終えて1勝1敗1分、勝点4という成績の札幌。ジュビロ磐田、モンテディオ山形、湘南ベルマーレと、いずれも昇格候補に挙げられているチームが相手だったことを考えると、ここまでは決して悪くはない結果です。今節の相手は比較的与しやすいと見られるギラヴァンツ北九州。自動昇格を狙うのであれば連敗は避けなければいけませんし、来週は苦手の京都サンガFCとのアウェイ戦が控えていることからも、ここはきっちりと勝点3を取っておきたいところ。
とはいえ、北九州といえば忘れもしない昨季の最終節、「勝てばプレーオフ進出」という状況で対戦して引き分けに終わったように、決して楽な相手ではありません。あの試合での北九州が最初から引き分け上等な感じではあったにせよ、そこをどうにかしてこじ開けられなかったのは札幌なのですから、力不足といえば力不足。だからこそこの試合できっちり勝利を挙げることが重要だと思います。まぁあの試合で勝ってもないのに勝ったような騒ぎをしてた北九州への意趣返しというのも、多少はね?
札幌はケガや体調不良者が多いこともあり、前節からスターティングメンバーがけっこう変わりました。まずDF櫛引一紀とMF宮澤裕樹が欠場。先週戦列に復帰したはずのDFパウロンはいつの間にかまた戦線離脱の任務に復帰し、センターバックの代わりに入ったのは川崎フロンターレから移籍してきた薗田淳。ボランチは北上原こと上原拓郎が入っています。前節体調不良で欠場した菊岡拓朗が戻ってきたものの、ベンチスタート。サイドハーフには石井謙伍が入りました。
そしてGKは前節までゴールマウスを守ってきた金山ではなく、約1年10ヶ月ぶりにイホスンが出場。おそらく今季は2人の守護神を使い分けていくつもりなんでしょうね。どんなにアレでも杉様以外の選択肢がなかった昨年を思うと、泣けるほど贅沢なGK陣です。
また、昨年3月31日のガンバ大阪戦で膝を負傷し、長期離脱をしていたMF古田寛幸がほぼ1年ぶりにベンチ入りを果たしました。
一方北九州は今季、FW原一樹(京都)、MF風間宏希(川崎フロンターレ)らが加入。ほぼオールリセット状態だった昨季に比べて今季はさほどの戦力流出はなかったものの、ここまで1勝2敗とまだはじまったばかりとはいえやや苦しいシーズンとなっています。ちなみに、風間といえば我々の世代にとっては三姉妹ですね。
さて、試合はいろんなうっぷんを晴らすかのように札幌が支配します。北九州があまり前からボールを取りに来なかったこともあり、湘南戦ではほとんど上がる機会のなかった南上原と日高のサイドバックも高い位置でプレイし、相手を自陣に釘付けにします。
先制は13分。左サイドで砂川誠からのスルーパスに反応してDFの裏を取った内村圭宏が、角度のないところから右足でうまく流し込んでゴール。これで気をよくしたうっちーは、その10分後にも砂さんのコーナーキックをうまく頭で合わせて2点目をゲットします。下がりながらの難しい体勢でしたが、この辺、調子に乗った内村さんはさすがですね。
すっかり勢いの出た札幌は、すっかり元気のなくなった北九州を相手にやりたい放題。26分には細かいパスをつないでペナルティエリアに侵入したところを南上原が倒されPKを獲得。キッカーを務めたうっちーのシュートはいったんは相手GKにはじかれるものの、詰めていた南上原が押し込んで3点目となりました。
このPK、うっちーが決めていればハットトリック達成だったのですが、なんとなく外しそうな気がしていたんですよね。南上原の反応の早さを見るに、彼もそれを予想していたというか、むしろ外せと思っていたかもしれませんね。元FWとしては正しいと思います。ちなみに、開幕戦での前田のPKを最終的にクリアしたのも南上原。ある意味PK職人と言えます。
前半30分も経たないうちに3点のリードを得た札幌。守備面でも相手のFWにいい形でボールが入らなかったこともあり、今季初となる奈良竜樹と薗田淳のコンビもほとんど危ないところはなく、また久しぶりの実戦となるイホスンもブランクを感じさせないプレイを披露し、無失点で前半終了。申し分のない内容で折り返しました。
しかし、この時は誰も知らなかったのです。後半は、前半がまるで夢だったかのような残念プレイに終始することを...。
サッカーにおいて3-0というのはセーフティーといえるスコアです。よっぽどのことがなければここから試合をひっくり返されることはほぼないと言ってもよく、去年3点差を逆転した試合はJ1J2ひっくるめても浦和レッズ対大分トリニータの1試合のみだったはず。調べてないですけどJリーグの歴史上でも10回もなかった気がします。
なので、無理に追加点を狙って攻め込んで無闇に体力を消耗したりケガのリスクを負うよりは、相手の出方に合わせてカウンター狙い、という作戦もありだとは思いますし、どちらかといえばそっちのほうがセオリーでしょう。それはわかります。
ただ、後半のできに関しては、意識してそれを狙っているというよりは、「思い切り手を抜きました」というような感じだったのが残念だなぁと。パスも足もとばかりで動きも少なかったですし、かといっていらんところで手数をかけたり。悪い時のシャフトアニメ、を模したシルバーリンクアニメみたいな感じでしょうか。わかりにくいたとえですみません。
案の定、後半のチャンスはといえばマエシュンのマエシュンエリアからのマエシュンシュートがクロスバーを叩いたくらい。北九州の気合もすっかり削がれていたこともあって、無失点で終えることができたのはよかったですし、3ゴール取れたこともよかったんですが、前半のシュート数7対2に対して後半は4対4。途中出場のいくら賢選手もまだ少し噛み合わない感じで不発に終わり、何かこう、モヤモヤしたものが残る後半でしたね。
90分相手を圧倒しろなんて求めてはいないですけど、自動昇格を狙うのであればやっぱり最低でもあと1~2点は欲しかったところですし、やり方はともかくそこは貪欲に狙って行って欲しかったなぁと。もちろん、北九州を完膚なきまでに叩きつぶして欲しかった、というどす黒い心情も、多少はね?
まぁとにもかくにも勝点3をゲットということで、とりあえず、これで3月の勝点は7となりました。開幕前の自分の予想よりかは大幅に上回っています。この日フル出場を果たしたイホスン、交代出場した古田など少しずつ怪我人も戻ってきて、戦力も整いつつあるので、ここから調子をまた上げていってもらいたいですね。パウロンがいつ戻って来るかは分かりませんけど。