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2014年3月20日

ウェリントンの勝利

2014年J2第3節
湘南ベルマーレ 2-0 コンサドーレ札幌
得点者:札幌/誰もいない
     湘南/ウェリントン、大槻

 「お前たちにスタートダッシュなんて許すと思うかね?」という日程くんの声が聞こえてきそうないやがらせ日程の第3弾、湘南ベルマーレとのアウェイ戦がやってまいりました。
 湘南は2012年にJ2で2位となりJ1昇格を勝ち取りましたが、惜しくも残留を果たすことができず降格。札幌は2012年をJ1で戦い、誰が見ても明らかなほどの異次元の弱さを発揮し降格し、ちょうど入れ替わる形となったため、湘南との対戦は3年ぶりとなります。

 札幌は開幕から2戦スタメンを張っていた菊岡拓朗が体調不良とのことで遠征メンバーから外れ、代わりに荒野拓馬が出場。代表でのケガで戦列を離れていた奈良竜樹が復帰しました。あと、「眠れる巨神兵」パウロンと、うっかりするとその存在を忘れそうになる新助っ人ヘナン、神戸から新加入で、札幌を堪能しまくっている都倉賢(通称いくら賢)も遠征メンバー入りを果たしています。少しずつベストメンバーに近くなってきてはいるのですが...ちょっとその事実から目を背けたくなるほどいいようにやられちゃいましたね。

 開始こそ南上原こと上原慎也がシュートを立て続けに浴びせ主導権を握るかと思われたのですが、残念ながらよかったのはここまで(ってことは5分もなかった)。お互い中盤でガシガシプレスをかける、いわゆる「リング中央で足を止めての打ち合い」なんですが、打ち合っているように見えて実はあんまり有効打がないというちょっとアレな感じの試合。で、どっちかというとミスが多いのが札幌で、「前線からプレッシャーをかけて、ミスパスを誘ってボールを奪う」まではしっかりできているんですけど、そこから1本目2本目のパスがとにかく合いません。相手のプレスがきつかったのも確かですが、まったくもってどフリーの時でもチョロパスで相手に詰められたり、狙い澄ましたように相手にパスしたりなどでほとんど攻撃の形を作れません。前線で起点を作れるのが砂さんくらいで、マエシュンにもうっちーにもいい形でボールが入らないので、ほとんどシュートまで持っていけない状態が続きます。

 かといって湘南もすんげえよかったかというと決してそういうわけではなく、そこそこ札幌の守備の網に引っかかってくれているんですけど、奪ってもすぐにボールを失うもんだから、開始こそガンガン上がっていたサイドバックもなかなか上がることができなくなります。
 だいたい、札幌のサイドバックは両方いっぺんに上がってなんぼですからね。日高のクロスに南上原が突っ込んでシュートとか、南上原のサイドチェンジが日高に渡るとか、そういう鼻血的な展開があってこそのコンサドーレ札幌なのですよ(※個人の感想です)。そこらあたりを封じられると札幌としてはツラいですよね。

 そんな感じでだんだんとボールの失い方が悪くなってきたなぁと思った矢先、割と遠目からのクロスをウェリントンにズバンと頭で決められ失点。このウェリントン、ドイツブンデスリーガでのプレイ経験を持つ選手ですが、そのドイツが生んだ大作曲家であるL.v.ベートーベンが作曲した、「ウェリントンの勝利」という曲があります。「運命」や「合唱付(いわゆる第九)」など数々の名曲を残したベートーベンですが、この「ウェリントンの勝利」では、曲の中で大砲とかマスケット銃(まどマギのマミさんのアレ)をぶっ放すという、ベートーベンの数ある楽曲の中でも一番の駄作の誉れ高い作品です。
 ちなみにベートーベンは「お願いです、変ホ長調の音階を書いてください」とか「それはまっぴら、ごめんこうむる」といった割とイカレたタイトルの曲も作っていたりします。機会があれば是非聴いてみてください。

 そんなわけでベートーベンとウェリントンの間にはまったく関係はないのですけど、ともかく前半は1点をリードされて終了。

 後半、巻き返しを図りたい札幌ですが、相変わらずなんとなくピリッとせず。選手交代で流れを変えようにも、正直攻撃に関してはだいたいの選手がダメという状態では、どこから手を着けていいのやらといった感じ。サッカーではルール上3人までしか替えちゃいけませんからね。たとえて言うなら、「ステラ女学院高等科C3部」と「断裁分離のクライムエッジ」と「帰宅部活動記録」と「フラクタル」と「ウェイクアップガールズ」と「惡の華」と「あっちこっち」とを並べて「どれか3本までしか切ってはいけません。あとは全部見てください。何があっても。」というようなもの。
 結局、90分プレイさせるとだいたい地方条例に引っかかる可能性がある砂さんと、45分以上プレイさせるとだいたいセーフモードに切り替わるマエシュンと、河合さんがいると途端に影が薄くなる宮澤を交代させるのが精一杯で、最初から最後までいないも同然だった荒野はフル出場させざるを得ない状態に。どれが誰に当たるかは皆様のご想像にお任せします。なお、キミキスのアニメなんてなかった。
 そんな感じなものですから、後半もろくすっぽシュートも打てない状態が続き、19分には右サイドからの速いクロスを金山がはじき、そのボールをウェリントンが中央に折り返したところを詰めていた大槻に押し込まれます。オフサイド...に見えましたが判定はゴール。
 今年からオフサイドのルールが(また)変わっているのですけど、ウェリントンがプレイに関与した時点で大槻がオフサイドポジションにいたのは明らかなので、これがオフサイドにならないとしたら、ヘディングしたのがコンサドーレの選手だった場合くらいですかね。だとしたら見間違ったのかもしれませんが...吉田主審も副審に確認は行っているので、レフェリーがオフサイドじゃないと判断したのであればオフサイドではないのでしょう。

 いずれにしても2点のビハインドはこの日の札幌にとっては重い枷。1点くらいなら何かの間違いで取れたりするかも知れませんけど、2点となると大変ですよね。交代で入ってきたいくら賢選手も持ち味を発揮したとは言いがたく、前貴之が惜しいミドルシュートを放ったり、日高のボレーがクロスバーを叩いたりしたシーンがあったくらいで、最後まで湘南の守備陣を崩すことはできず試合終了。ここでの負けはある程度想定内とはいえ、ちょっと内容的にも残念な感じの試合でした。

 なお、パウロンは出場しませんでした。

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