2014年J2第2節
コンサドーレ札幌 1-1 モンテディオ山形
得点者:札幌/俺たちのマエシュン
山形/ディエゴ
開幕戦でジュビロ磐田に勝利し、貴重な勝点3を手に入れた札幌。優勝候補筆頭とのアウェイゲームでの勝利は、札幌にとっては値千金とも言えるのですが、とはいえ別に磐田に勝ったからといって、実際の勝点が倍になったりするわけではありません。こんなことならスーパーひとしくんを賭けておくべきだったと思うのですが、さりとて札幌イジメとしか思えない開幕からの対戦カードからは、3月は1つも勝てないことまで覚悟していたので、とりあえずひとつ勝てたことには一安心。
ただ、去年も「最初からニューゲーム」状態でありながら開幕戦のアウェイでジェフユナイテッド市原・千葉に勝っちゃって、こりゃあやるじゃないかと思ったらホーム開幕の栃木SC戦で圧倒的に押していながらコロッと負けて、見事に転んだのが後々響いた感じでしたからね。自動昇格枠というのはかなり厳しい目標だとは思いますが、プレーオフ圏内というのはクラブとしてもおそらく必達目標でしょう。そのためにはやはり勝点の取りこぼしは避けたいですし、せっかく「入るとは思ってなかった勝点3が手に入ってマンモスうれP」なこの状況を無駄にしたくはありません。
とはいえ、ホーム開幕戦の相手はモンテディオ山形。J1から降格した昨季は順位こそ10位でしたが、8位札幌との勝点差は5と、さほど変わらない成績でした。今年こそ昇格を狙う山形は、前札幌監督のノブリンこと石崎信弘監督を招聘。さらには柏レイソルや東京ヴェルディで活躍したディエゴを獲得した他、カターレ富山から舩津徹也を、栃木SCから當間建文を獲得するなど、J2的にも割と地味に派手な(ノブリンらしい)補強を敢行しています。
しかし、札幌と同じくこの時期は降雪で地元での練習がままならない山形、ドームのある札幌はまだいいほうで、開幕からアウェイ連戦を強いられる上に、開幕から湘南ベルマーレ、コンサドーレ札幌、FCラモスという日程はあちらさんもけっこうキツいですよね。開幕戦では湘南に0-1で敗れた上に、ロメロフランクが退場でこの試合出場停止。
迎え討つ札幌ですが、前節ベンチスタートだった河合主将と日高拓磨がスタメン復帰。前線も前節スタメンだった石井謙伍ではなく前田俊介を起用。おそらく前節よりは押し込まれることはないと踏んで、高いところで攻撃の起点を作る狙いと、あと面白いからだと思われますが、結果的にはこの起用がずばり当たった形でした。前半20分、サイドでのパス交換から菊岡のスルーパスに斜めに抜け出したマエシュンが、角度のないところからGKの股を抜いて決めて先制。普段はボールを持って仕掛けてなんぼのマエシュンの、珍しいゴールでした。そりゃこの翌日から札幌は大雪にもなりますよね。
しかし、前半でよかったのはこのシーンくらい。この前にもDFの裏を取った砂さんが中央の内村にグラウンダーのクロスを送りますが、ちょっと丁寧に出し過ぎたのか、それともドームの芝が思った以上にボールが走らなかったのか、いずれにしてもボールの勢いが弱くGKのカバーが間に合ってしまいシュートを打ちきれず。前半ロスタイムにも、高い位置でボールを奪った砂さんからのスルーパスをマエシュンがダイレクトでシュートを打ちますが、ギリギリで枠の外。このうちどっちかでも決めることができれば、だいぶ楽にはなったと思うのですが...。
守備面でも河合さんがらしくないミスを連発したり、磐田戦ではほとんどタッチラインを割ることがなかったGK金山のキックも一発目からOBだったりと、全体的に不安定なプレイが目に付きます。それでも主導権を握っている時間はまだよかったのですが、前半39分には右サイドを突破され、クロスボールから最後はディエゴに決められて同点に追いつかれてしまいます。前半は1-1で終0了。
後半は一進一退の攻防...というかどっちかというと押され気味で試合は進みます。おされといってもオシャンティーとかそういう意味ではないですよ。山形の攻撃は「ほぼ」ディエゴを経由するのですけど、真ん中あたりをうろうろするディエゴを捕まえきれずに、ちょくちょくヤバい感じでフリーにしています。攻撃の迫力という意味では前節の磐田よりは少ないんですけど、なんかけっこうゴール前まで運ばれるシーンが目に付きます。一週間前とは別チームのよう。あれなんですかね。やっぱり札幌の空気を吸うと札幌らしくなってしまうのでしょうかね。セットプレイでハイボールを処理しようと飛び出た金山がボールに触れなかった時は、ディドから連綿と続く札幌のGKの系譜を感じましたね。ボールを掴んでからこぼすのではなく、美しい飛型でボールに触らないのが芸術。ただしGKとしてはアカンプレイ。
そんな感じでけっこうヤバいシーンもあったのですが、DFが集中を切らさずに守っていたのと、あとは相手の決定的なシュートを最強のDFゴール・ポスト選手が防いでくれたりもして、なんとか失点はせずに済みました。
札幌も左サイドでキープした南上原から、逆サイドの日高にサイドチェンジがバシッと決まったり(クロスがアレでオッペケペに終わる)、非常にオレ好みの展開も随所に見られましたし、日高のボレーシュートなど惜しいシーンもあるにはあったのですが、交代選手があまり有効に機能しなかったこともあって、攻撃面も若干物足りない感じではありましたね。砂さんやマエシュンがいない時に誰がどう組み立てるのか、菊岡ももう少しフィットしてくれば変わるのかもしれませんが、そのあたりが課題でしょうか。
全体的には、レフェリーのジャッジがちょっと不安定だったのが残念でしたが、内容からすれば引き分けは妥当といったところ。しょぼい失点をして負けなかったというのは、去年の同時期からすれば悪くはないんじゃないでしょうかね。