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2014年2月18日

キャンプ見学の心得

 ご無沙汰しております。サッカー百鬼夜行でございます。

 開幕カウントダウンの企画に参加して欲しいというオファーがありまして、いやもうちょっといろいろ忙しくて、こういうのでもないとなかなか自分のブログも更新できなくなっちゃってますからね。自分なんかでよければと参加した次第です。

 そんで気になる内容ですが、前回のアドベントカレンダーでは思い切りネタに走ったので、今回はちょっと実用的?に、「キャンプ見学」について書いてみようかなと思います。もう開幕まで残すところあと3週間弱となり、時期としてはいまいち遅い気もしないでもないですが、ちょうど主催のayaさんが練習見学のすすめを書いておられるんで、そこから一歩ひねってみようかと。

 Jリーグのほとんどのチームは、冬の間地元を離れて温暖な地に飛びます。いわゆる「キャンプ」と呼ばれる習性です。といっても、各チームはそこでタマゴを産み、子供を育てるわけではありませんが、新しいチームの地固めを行い、来たるべき開幕に備えます。「キャンプ」はだいたい多くのチームで、2月の下旬くらいまで行われ、それが過ぎるとめいめい地元に帰り、開幕までの期間自チームのグラウンドでトレーニングを行います。
 しかし、コンサドーレの場合はこの時期はグラウンドがまだ雪の下にあって、地元では練習できません。ですから、開幕戦を迎えるまで、場合によっては開幕戦を迎えた後も、札幌には帰ら(れ)ず、「キャンプ」を続けることになるわけですが、多くのサポーターにとって、この時期はチームの状態が一番気になる時期。今年のチームはどうなのか? 新戦力は活躍できるのか? ひいきの選手の状態はどうか? マエシュンはどこまでマエシュンなのか? などなど、見たいところは山ほどあります。普通のチームなら、キャンプが終わって地元に帰ってきたチームを見に行けます、前日の通り札幌ではそれはかなわぬ話。
 まぁ東京在住の自分にとっては、チームが地元に帰ってもどっちみち気軽に見に行ける距離ではないんですが、それでも見たい! 気になる! でも見れない! という葛藤の末に、「チームが帰ってこないならこっちから出向けばいいじゃない」と、ついうっかり思いついてしまったのが全てのはじまりでした。そして、2005年(当時は鹿児島の指宿でのキャンプでした)から昨年まで、9年連続でキャンプ見学を続けてきた(今年は諸事情により熊本行きを断念)わけですが、やはりですね。わずかでも開幕前の状態を知っておくというのは、余計な期待を抱かずに済んだ、なんてことも含めて、そのシーズンを占う上でけっこう重要だったりするんですよね。通常のアウェイ遠征とはまた違った意味での「中身の濃さ」が魅力なのです。

 とはいえ、試合会場やキックオフ日時がかっちり決められている公式戦とはことなり、スケジュールは直前まで出ない、出たスケジュールが突然変更になるのも日常茶飯事、時には鳥にうんこを落とされることもあるのがキャンプ見学。ここまでの経験上、アクシデントが起こらなかった年などなく、気軽に「キャンプ見学いいよ! 大丈夫みんなやってるよ!」などとはオススメしにくい「修羅の道」であるのも確かです。
 ですので、練馬区のコンサドーレサポーターの中では比較的上位に入るベテランキャンパー(Camp + er)として、「キャンプ見学に行ってみたい!」と考える物好き...いやサポーターのために、過去の経験から編み出した「キャンプ道の心得」をご紹介しようというのがこのエントリーの趣旨です。

1.戦いは行く前から始まっている!

 キャンプ見学とはいえ、やっぱり試合は見たいもの。チームや選手の状態をチェックするのにも実戦は都合がいいですから、キャンプ期間に何度か行われる練習試合(TM)に狙いを定めたいところです。そうなるとここでの問題は、「いつTMが行われるか」です。これが毎年かなり大きな問題です。
 本当だったらキャンプの日程が全部出てから、ピンポイントでターゲット指定できればそれに越したことはありません。しかし、会社員だとどうしても週末を旅程の中心とせざるを得ませんし、いつでもチームの都合に合わせられるというわけではありません。ギリギリまで待っていたら、飛行機も乗りたい便は既に満席、ホテルも安めで交通の便のいいところは満室となってしまうことが多い(2月は受験シーズン)ため、チームの予定が出る前に早め早めに動く必要があります。
 しかし、だからといってあまり早めに動き出すのもオススメできません。理由は後述しますが、場合によっては行き先が熊本でなくなる可能性もあるからです。

 なので、予約変更の効かない早期割引運賃を使うのは避けるべきですが、自分のようにマイルの特典を使う場合も、特典航空券は便の変更は自由にできても路線の変更はキャンセル扱いになってしまうので(JALの場合キャンセル料は3,000マイルとけっこう高い)、なるべくそういう事態が発生しないよう、かつ早めに動かねばなりません。あ、通常料金で飛行機に乗れるブルジョワさんは、そのまま経済に貢献してどうぞ。

2.情報は命

 前項で書いた、「場合によっては行き先が熊本でなくなる」というのは、チームがTMのために遠征に出ることがあるからです。チームの負担という意味では現地で試合ができるのが一番いいのですが、近年はなぜか熊本でキャンプを行うチームは減ってきています。TMの相手となるチームが熊本にいない。そして、どちらかといわなくても他チームが胸を借りに来てくれるチームでもない。つまり、出稽古となるわけです。
 熊本の他の九州の県には、福岡、佐賀、長崎、大分にJリーグチームがあり、まだJチームのない宮崎と鹿児島には他のJチームのキャンプが集中します。相手は九州全土にいる。ということは、九州全土が守備範囲となります。いくら日本は小さい国といっても他県に移動するにはそれなりの時間もかかりますし、交通手段も限られています。なので、場合によっては旅程そのものの見直しも必要になります。飛行機を手配した後に沖縄でのプレシーズンマッチが入った時は、さすがに日程を変更しましたね。
 なので、いち早くTMの情報を掴むため、コンサドーレはもちろん、他のJリーグチームのスケジュールのチェックも欠かせません。幸い、出稽古の際はたいていは午前中に現地へ移動、キックオフは午後になるのがほとんどなので、場所さえわかればおおよその行程は立てられるでしょう。
 ちなみに、自分は今まで朝一の便で熊本空港に降り立ってそのまま友人の車で鹿児島に行ったり、熊本から朝一の特急で大分に行ったり、福岡経由で熊本入りしたりしたことがあります。

3.「足」を確保せよ!

 さて、無事に現地入りしても、さらに問題はあります。それは移動手段の確保です。だいたい運動場なんてものは郊外にあるもんですから、TMにしても通常練習にしても、えらいへんぴなところで行われることが多いです。KKウィングのある総合運動公園は市内からの直通バスがそこそこ出てるのでまだマシなほうではありますが、場所によっては「開始時間に間に合う交通手段がない」場所で練習やTMが行われることもありますので、そういう時は普段からハンドルを握ってる方はレンタカーを手配するのが一番確実かと思います。自分は超弩級ペーパードライバーなので、世界平和のためになるべく使いませんが...。
 また、公共交通機関が使える場合でも、しっかり下調べはしておきましょう。今の時代、遠くの場所からでも現地のバスの時刻表なんかも簡単に調べられますから、バスの運行時刻はもちろん、バス停の位置や系統名はちゃんと把握しておいたほうがいいです(特にターミナルでは)。なんとなくうろ覚えで「行けばわかるだろう」

さめざめと泣く羽目になりますから注意だよ! あと、降りる停留所の名前も「一字一句」「正確に」覚えておくか、メモしておこうね! バス停は似た名前が並ぶことも多いので(○○一丁目と三丁目とか)、うろ覚えで乗ってると違うところで降りちゃって、途方に暮れたりするから気をつけようね!

4.何があっても泣かない

 ここまで書いといて何ですが、あらゆる準備を整えたとしても、チームの予定が急に変わって、場所が変わったり開始時間が変わったり、なんてことも珍しくはありません。試合と違って選手のコンディションや練習メニューの消化具合で臨機応変に変わるものですから、仕方のないことですけど、熊本に行ったはいいけど滞在3日のうち2日間がオフだった時は割と泣きたくなりましたね。
 また、練習場所が総合運動公園の場合は、練習場所がKKウィングやその横にあるサブグラウンドの予定になっていても、突然公園内の別のグラウンドに変更になり、アホみたいに広い公園の中を選手の姿を求めてうろうろしなければいけないこともあります。
 TMについては相手もあることですから、さすがに告知なしに突然場所が変わるなんてことはありませんが、TMの場合は試合が「非公開」となってしまう可能性もあるので、これだと泣くに泣けませんね。幸いまだその不幸に当たったことはないのですけど、これが考えうる一番悲しいパターンだと思います。毎年毎年何らかのトラブルに見舞われているとさすがに何があってもあまり動じなくなるのですが、さすがに「現地にいるのに見られない」というのはあまり想像したくありませんね。主人に「待て」と言われてよだれだらだらしながら待つ犬みたいな感じで。

 そんなわけで、だいぶ長々とご説明いたしましたが、この「キャンプ道の心得」が、今後皆様のキャンプ見学人生の一助になれば幸いです。いやほんと、いろいろあったとしても楽しいですよ。水曜どうでしょうの旅的な楽しみ方も含めて。

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