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2013年12月12日

背水の陣

2013年J2第39節
コンサドーレ札幌 1-0 ジェフユナイテッド市原・千葉
得点者:札幌/内村
     千葉/(??? ? ???)いないよ!

 前節京都に敗れたことで10位にまで後退、プレーオフ圏内の6位との勝点差が6と、4試合という残り試合数を考慮するとほぼ絶望というところまで来てしまった札幌。数字上の可能性は残されているものの、それは「残り試合全勝が最低ライン」という条件が前提となります。ここまで2連勝が精一杯だったチームにとって4連勝というのはただでさえキツいのに、この試合の相手である4位千葉に加え、この次の試合はガンバ大阪との熾烈な優勝争いを繰り広げているヴィッセル神戸が相手。ハードルは高いってもんじゃないですよね。ハードモードとしては、FF5でものまねしゴゴに正面から戦いを挑むような感じですかね。「でなおして、きなしゃーい」みたいな。かなりわかりにくいと自分でも思います。

 で、相手の千葉は、この時点で勝点64の4位。勝点77で2位のガンバ大阪との差は13あるため、自動昇格の可能性は数字上も消滅しています(千葉が残り全勝しても最大で76にしかならないため)。3位京都との勝点差5は決して逆転不可能ではない数字ですが、正直なところ、2位になれないなら3位でも4位でも大して変わらないんですよね。5位以下だとまったく変わってきますが。まぁ5位6位が勝点60で並んでいますので、気を抜くとあっという間にまとめてまくられるポジションでもあるのですが、かといって1試合で逆転されるほど詰まっているわけでもない。結果論になりますが、そんな微妙な感じが、「負けたらそこで終了ですよ」の札幌との違いとして現れたのかもしれませんね。最終的には徳島ヴォルティスに抜かれてシーズン5位で終わってしまったことも含めて、千葉がなかなか昇格できない要因なのかも知れません。なんて、順位は千葉より下のくせにえらそうに語る、下から目線という新しい概念。

 さて、この試合の札幌のスタメンは、前節から堀米が外れて宮澤が入った以外は顔ぶれは前節と同じ。前線の位置関係は多少変わっているようですが、このメンツだとポジションについては「初期位置」以上の意味合いはあんまりないですね。
 で、試合は立ち上がりから札幌が主導権を握るべくアグレッシブにがぶり寄りを見せます。確かにメンバーだけ見れば相手のほうが上で、受けに回ったら攻められますからね。攻めとか受けとかそういうことを言いたいのではありませんので誤解なきよう。そんな感じでどちらかというと札幌が攻勢な感じですが、砂さんが起点となり、そこにマエシュンや荒野がうまく絡んでけっこう面白い攻撃を見せるのですが、チャンスを作っても最後の最後でうまくいかないもどかしい展開が続きます。京都戦では軽さを見せていた守備陣もこの日は割と安定を見せており、29分に危ないシーンがひとつあったくらいで、あとは大きな破綻も見せず前半は0-0で終了。

 プレーオフ戦線に生き残るためには、札幌は引き分けではダメ。あくまでも勝利が必要となります。是が非でも得点の欲しい札幌は、後半も頭から千葉ゴールを攻めます。マエシュンも得意のマエシュンキープからマエシュンドリブル、マエシュンフェイントとあらゆるマエシュン技で打開を図るものの、やはり千葉の守備陣は固く、なかなかゴールを割れません。後半19分にはカウンターから宮澤がゴールネットを揺らすも、惜しくもオフサイドの判定でノーゴール。31分にはマエシュンを下げてフェホを投入、なりふり構わぬと見せかけて割と何かを期待しがちな空中戦に突入した、その数分後でした。相手GKへのバックパスに対してうっちーが猛然と突進。渾身のスライディングタックルでボールを奪うと、すぐさまこぼれたボールをゴールに流し込んで、喉から手が出るほど欲しかった先制点をゲットしました。
 ちょっと足の裏を見せ気味のタックルだったので、よくファウルを取られなかったもんだと思います(うっちーはこの時点で既に1枚もらっていたので、場合によっては退場まであり得た)が、どういう形でもゴールはゴール。点が欲しい時に取ってくるのがエース、ってことなんでしょう。
 にしても、うっちーってこういう形のゴールよく取ってますよね。モンテディオ山形戦のゴールもそうですし、いつぞやも相手GKのクリアボールを足に当てたらそのままゴールに入ったこともありましたし。いつもこういうチャレンジをよくやってるんですよね。もちろんゴールに結びつくことは少ないですけど、こういうことがまれにあるから、9割方無駄であってもチャレンジする価値はあるということでしょう。他のメンツも見習って欲しいものです。いやだからといってそればっかり狙われても困るんですけどね。それだと韓非子の「守株待兔」みたいになっちゃうので。日本では北原白秋の「まちぼうけ」として有名な説話です。ごくたまには勉強になることがないわけでもないサッカー百鬼夜行。

 思わぬ形のゴールは思った以上に相手にダメージを与えたようで、その後千葉の攻撃も単調な力押しに終始。札幌もそういう攻撃なら余裕を持って跳ね返せます。追加点こそ奪えなかったものの、ほぼ注文通りに逃げ切って、またプレーオフへの希望をつなぐことができたのでした。

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