2013年J2第38節
京都サンガFC 2-0 コンサドーレ札幌
得点者:札幌/(??? ? ???)いないよ!
京都/山瀬、横谷
コンサドーレ札幌は前節モンテディオ山形をホームで下し、プレーオフ圏内争いに何とか踏み止まることができたわけですが、踏み止まったといってもあくまでそれは「可能性を残した」程度のレベルであって、他チームの動向次第とはいえ相変わらず「最低ラインはほぼ全勝」という綱渡りな状況にさほどの変化があるわけではありません。そんな中、苦手とする京都サンガFCとのアウェイ戦を迎えました。
昨季は年間3位という成績を収めながらも、この年から導入された昇格プレーオフで6位の大分トリニータに敗れて涙を呑んだ京都。それまでのレギュレーションであれば自動昇格だったのに、まさにルールに泣いた格好となりました。しかも、この年ついうっかりJ1に行ってしまっていた札幌が異次元の弱さで降格。保持している最多昇格に並ばれたことに加え、回数最多降格回数(4回)も並ばれてしまいました。元祖エレベーターチームとしてのプライドに賭け昇格を目指す京都ですが、ガンバ大阪、ヴィッセル神戸の2強の壁は厚く、ここまでのところ2位神戸に勝点8差の3位。この試合を含めて残り5試合で逆転するには、ほぼ絶望的な数字です。
となればディフェンディングチャンピオン京都としては、札幌よりも先に昇格するために、札幌を叩きつぶして昇格のチャンスを与えない、というのが自然な流れとなります。そんな感じで、かような裏事情があったのかなかったのか定かではありません(たぶんない)が、この試合札幌は京都に対して何もさせてもらえませんでした。
今季の札幌はまぁ決して「強い」というわけではなかったにしても、ガンバ大阪にだって多少なりとも自分たちの時間を作ることができたとは思うんですよ。しかしこの試合の京都には文字通り手も足も出ませんでした。ほんと、カメじゃねぇんだからってくらい。特に山瀬をまったくと言っていいほど捕まえられなかったのが痛かったですね。フィールドを縦横無尽に駆け回る様は、そういえば元祖犬といえば彼のことだったということを思い出させますが、その山瀬の先制点も札幌の守備のまずさはあったにせよ、こぼれ球を拾われてシュートをふわりと浮かせた技ありゴール。あそこで思い切り打ってくれればまだ杉山さんが止めてたかもしれないんですけどね。アレやられたらGKどうしようもないです。
手も足も出なかったといっても、それなりにいい形は作れてはいたんですが、最後の最後のところは許してもらえないという感じで、要するにバヤリッツァ邪魔。前半はシュート1本のみという体たらくで1点のビハインドのまま前半を終了。
後半、財前監督は頭からフェホを投入...はいいんですが、交代カードは砂さん。そんなに調子が悪そうには見えなかったのですが。砂さん下げるとしたらフェホじゃなくて岡本ヤスあたりのほうがいいんじゃないでしょうかねぇ。じゃないと正直大作戦くらいしかやることがなくなるような気がするのですが、どうなんでしょうねぇ...とか言ってる間に奈良くんがペナルティエリアの中で横谷を倒してしまいPKを献上。これを決められリードを2点に広げられてしまいます。うーむ。
2点を追う羽目となった札幌は、フェホが入っても劣勢のまま。というよりは、いくら197cmのフェホが相手でも単純な放り込みだけじゃ対応は楽ですよね。要するにバヤリッツァが邪魔ってことなんですが。もう少しこう、サイドからフェホを使うと見せかけて上原あたりがずっきゅんずっきゅんぶっ飛んでくるという形が理想なんですけど、肝心の上原がいまいち調子が良くないのか、上がってくるシーンがほとんど見られず。榊翔太(わんこ)の投入も「フェホを囮にすばしっこいやつを使いたい」という意図なんでしょうけど、あまりその意図をピッチが感じてないのか、それともそこらへんは感じてるけど思い通りにならないのか、なかなかうまくいきません。
それでも後半だけでシュート6本打ったとおり、チャンスがなかったわけではないんですけどね。ただ、いずれの決定的なシーンも最強のDFゴール・ポスト選手の活躍に阻まれたり、あるいはGK正面だったりで相手ゴールを割ることができず。最終的にはうっちーに替えてようやく岡本ヤスを投入するものの、時既に遅し。結局最後まで得点を奪うことはできず、せめて引き分けには持ち込みたかった試合は、かなり痛い敗戦となってしまいました。