2013年J2第36節
コンサドーレ札幌 1-3 ザスパクサツ群馬
得点者:札幌/荒野
群馬/エデル x 2、ダニエルロビーニョ
うまくいかないときはとことんうまくいかないもんですね。
この時期に来ての連敗も痛いのですが、それ以上に下位相手というのが痛いですね。熊本戦は「アウェイだから」という言い訳がまだできるとしても、20位の群馬にホームで負けるのはさすがに痛い。足の小指をタンスの角にぶつけて、その痛みにもんどり打ったら今度はテーブルに頭をぶつけたってくらいの痛さです。
札幌はV・ファーレン長崎戦で退場して前節出場停止だったレ・コン・ビンが戻ってきたものの、河合主将はベンチスタートとまだスタメンで出られる状態ではないようで、相変わらずボランチ不足の状態は解消されていません。少し前までは「スペランカー体質」の代名詞と言われていた宮澤裕樹も、その称号をすっかりパウロンに奪われた上、周りのボランチが次々に怪我をしていくので、いつのまにか怪我できない状態に。それに伴い宮澤の相方もめまぐるしく変わり、この試合の相棒は、日高拓磨。
って、え? 日高さん? サイドバックですよ? 「北海道で日高といえば日高山脈ですからね。北海道の真ん中にあるこの山脈で雲とかいろんなものを止めるんですよ」ってことですかね? そりゃすげえ。うまいこと言ったつもりか。
で、日高さんが中盤に回れば当然右のサイドバックが空くわけで、開幕頃にこのポジションをやってたソンジンが入ったのですが、もともと彼も本職はセンターバック。カバーはうまい選手なので守備はいいとしても、攻撃という意味ではさほど得意ではありません。で、ソンジンがサイドに回ればセンターバックが空くわけで、ここにはうっかりすると存在を忘れかけるパウロンを投入。うーん。まぁ確かに面白い選手ですし(色んな意味で)、能力がべらぼうに高いのはわかりますけど、ずっと怪我をしていた分チーム戦術の理解度は決して高くはないでしょうし、身体能力だけで抑えられるほど今のJ2は甘くはありません。奈良くんもこの年齢にしては場数を踏んでますけど、当たり前ながらほっとくとどこに行くかわからんパウロンを気にしながらプレイできるほどの熟練の選手ではありません。そんなリスクを負ってまで、「ボランチ日高」を敢行する理由がじぇんじぇんわかりませんのですよわたしゃ。
さらにじは前線のメンツも大幅に変更。1トップにフェホ、トップ下に内村圭宏、サイドにレ・コン・ビンと砂川誠となっています。まぁ前のポジションについては、コンディションのいい選手から使うという方針なんだろうとは思うのですが、これだけざっくり変えるってのもどうなんでしょうかね。まぁメンツ的には得点ランクリーグ4位タイの内村さんはともかく、その他でスタメンが保証されている選手なんていないのは確かではありますけど...。
まぁこのあたりは結果論の部分もありますからね。うまくいけば奇襲成功、うまくいかなければ策に溺れる、そんな感じですけど、果たしてこの試合は開始4分で失点と、逆に主導権を握られる有様。そんな不慣れな布陣でもうまく主導権を握ることができればそれなりには戦えたのかもしれませんが、こうなるとまるでプランが狂いますよね。普段なら焦る必要はまったくない時間帯の失点なのに、妙に焦った感じがしたのは、やっぱりフォーメーションが不慣れだったせいもあるんでしょうかね。
こういう展開でも前線に控える進撃の巨人・フェホがいるというのは札幌にとってはストロングポイントではあるのですけど、ただそうはいってもそこに来るとわかっていれば相手も対処はしやすいわけで、もう少しやっぱり工夫は欲しかったかな、と思います。しかもフェホが13分という早い時間にイエローなんかもらっちゃったせいで、無理もできなくなっちゃいましたしね。
加えて、カードをもらったフェホをあきらめてマエシュンを投入、仕切り直しの後半も立ち上がりの時間帯に、何でもないシュートを曵地がファンブルしてエデルに押し込まれ失点。いや、何でもないっていうのはあくまで素人が外野から好き勝手言ってるだけで、実際プロのシュートなんて自分が受けたら逃げる間もなく悪即斬でしょうし、何でもないように見えて、キャッチした瞬間ボールから何とも言えないぬめっぽさがしたとか、はたまたボールが「何すんじゃワレェ」などというこの世のものとは思えない声を発したとかで、思わずボールをこぼしてしまったみたいな裏事情があったのかもしれませんけどね。いずれにしてもこれから追いつこうというところでいきなり出鼻をくじかれる展開になったのは確かで、かなり雲行きが怪しくなってきました。
それでも21分に交代出場の荒野がびゅーてほーなボレーシュートを突き刺して1点差に追い上げたときは、流れが変わると思ったんですけどねぇ。逆にお粗末な守備から交代で入ってきたばかりのダニエルロビーニョに決められ再び2点差をつけられる有様。まぁ早く追いつきたいという焦りが裏目に出たんでしょうけど、このあたりはやっぱり若さゆえの過ちでしょうかね。毎回同じこと言ってるような気がしますけど。
窮地に立たされた札幌は、さらに悪いことにDFのパウロンが右手を痛め交代(後に骨折が判明)。DFを下げざるを得ない状況になってしまい、おそらく使う予定ではなかったであろうMF河合竜二を投入したのですが、もっと悪いことに、その河合さんが39分にコーナーキックの混戦でのプレイからイエローカードを受け、その抗議に速攻で2枚目を出されてあっさり退場した時点でジ・エンド。まぁはっきり言って自滅みたいな負けっぷりで痛い連敗となってしまいました。