2013年J2第15節
コンサドーレ札幌 1-1 東京ヴェルディ
得点者:札幌/岡本
ヴェルディ/常盤
1993年に始まったJリーグも、今年で20歳。その草創期、当時はまだJ2なんて影も形もありませんでしたが、まさしく名門チームだったヴェルディ(当時はヴェルディ川崎)が20年後の現在2部リーグにいるなんて、自分も含めた当時Jリーグを見ていたサッカーファンのほぼ全員が思いもよらなかったでしょう。まぁ時代は移り変わるもの。変わらないのは当時ハタチだった俺の年齢くらいです。
一方、コンサドーレというチームはもともと強豪だった時代なんてありませんので、相変わらず「いつもはJ2で~、たま~にJ1にいくこともあるかな?」みたいな、埼玉県民にとっての池袋と六本木くらいの意味合いになってますけど、今この時点だけを切り取ってみれば、J2で8位と12位の対戦。といっても勝点差はわずかに3で、札幌にとってはこの試合で勝てば勝点で並ぶことができ、順位を一桁に持って行けるチャンスでもあります。しかしメンツ的にはかなり苦しい状態で、前節ケガで前半で退いた小山内貴哉に替わり、ケガから復帰したばかりの日高をスタメンで使わなければいけない状況です。
そんなわけでそれなりに大事な試合だったんですが、前回のロアッソ熊本戦から3週間が経っても、厚別公園競技場のピッチは悪いまま。テレビ中継でもわかるくらいですから、実際のピッチはそれ以上にひどい状態なのでしょう。基本的に細かく繋いでいくサッカーを志向している両チームにとっては一番厄介な相手です。おまけに、厚別名物の強風。熊本戦ほどひどくはなかったとはいえ、ロングボールを蹴っても行き先は風に聞いてくれ、ってのは変わらずで、かといってピッチがこれだけ悪いとグラウンダーのパスも安定しないという八方ふさがりです。いや八方もないですけど。「本当に強いチームであればどんなコンディションでもちゃんとできる」という主張もわからないでもないですけど、それができてりゃお互い少なくともJ2にはいないわけで、両チームとも細かいミスのオンパレード。札幌はこの試合の前に厚別でトレーニングを行っていたのですが、ここまでピッチが悪いと付け焼き刃じゃどうにもならないってことでしょうかね。それでも高原や飯尾はうまかったですけど、全体的には低調な試合内容です。この翌節の水戸ホーリーホック戦もそうでしたけど、これだけコンディションが悪いと、やるほうはもちろん見るほうも不幸ですよね。相手があってのことですので勝ち負け自体は仕方がないにしても、お金払って見に来てるのに、それにふさわしい内容が観られないのは興行としてどうかって感じすもんね。
さて、札幌は熊本戦で前半風上から攻め、圧倒的に押し込みながらも1点止まりだったのが響き、立場が逆転した後半に3点叩き込まれて(もっとも、そのうち2点は自分たちで叩き込んだんですが)負けてましたが、この試合では前半は風下となりました。その前半は相手に押し込まれ、何度か危ないシーンを作られながらもこれをしのぎ、岡本賢明の3試合連続となるゴールで先制できた、まではよかったんですけどね。後半の早い時間帯で2点目が取れていればまた結果も変わっていたのかもしれませんけど、いくつかあったチャンスで決められないでいるうちに、15分に余計なファウルで与えたセットプレイからの流れでいつものように何となく決められて同点。追いつかれての同点というのは気分的にはすっきりしないものではありますけど、試合の流れなどから見ればヴェルディにも惜しい場面がそれなりにありましたから、引き分けという結果はまぁ妥当なのかなという気はします。とはいえ、失点シーンは相変わらずのアレな感じだったので、その辺はちょっともう少し何とかならんのか、とは思います。まぁ、失点シーンってのはたいがいアレなもんですけどね。
ただ、そうでなくても怪我人の多い中で、折しも風邪なのか呪いなのかわかりませんが体調不良者も続出という状況で、ケガ明けの人ですら即使わないといけないくらいなのは財前監督としてもやっぱり頭の痛いところではあると思います。実際のところ、「ケガでの交代がなかった」ことにちょっとほっとするくらいな感じですもんね、今。
そんなわけで、負けこそしなかったものの今日もホームで勝つことができなかった札幌。ホームで勝ってくれないと営業的にもアレなので、もうちょっと勝って欲しいものなんですけどねぇ。