さてさて第82回全国高校サッカーも準決勝が行われました。ワールドカップを含むトーナメント方式の大会で、もっとも面白い試合が見られるといわれるのがこのセミファイナル。しかし、札幌サポーターにとっては毎年だいたいここまで来た段階で多くの方が「高校生のサッカー」以上の目を向けることがなくなってくる頃合いです。まぁ「高校サッカー以上の目を向ける」っつっても別に無理矢理大学サッカーだと思いこむとかそういうことじゃあないんですけど、おしなべて高校サッカーというのは、出場校のOBだとか、家族や親戚の兄ちゃんが選手として出場しているとか、はたまたチアガールに萌えたからとかいった何か特殊な理由でもない限りは、だいたいは地元の高校を応援するという方がほとんどだと思います。そこの高校生の万引きに苦しんでいる近くの商店のおばちゃん以外は。
そしてJチームのサポーターの場合は、出場選手の進路も概ね決まっていることが多いこの時期の大会、やはりオノレのひいきチームに入ってくる選手をお目当てに見ることが多いことでしょう。しかしながらこと札幌のサポーターに限った場合、大会が準決勝まで来れば北海道代表の高校も既に姿を消していることが多いですし(北海道代表校の最高成績は、1986年の第65回大会で今季からトップチームのコーチになったザイーこと財前恵一前U-18監督や、現ヴォルカ鹿児島の野田知らを擁した室蘭大谷がベスト4に進んだのが最高成績)、ベスト4ともなるとその顔ぶれのだいたいがコアなサッカーファンでなくともどこかしかで名前を聞いたことがある強豪中の強豪校で占められるのがほとんど。コンサドーレはそういった高校にパイプがありませんから、「札幌入団内定」の選手も既に姿を消していることが多いわけです(この時期に既に札幌入りが決定していた選手としては、2001年の第80回大会の相川進也のいた前橋育英のベスト4が最高成績)。もちろん最後まで残らなくても、もっといえば選手権に出場していなくてもいい選手はいるのですけど、あくまで高校サッカーを楽しむという観点からいえば、今までは他のチームに入団が決まっている選手を「いい選手だなぁ~」と指をくわえるどころかお魚までくわえて見ているしかなったのです。
しかし今年はちょっと違います。札幌に入団の内定している桑原剛選手を擁する筑陽学園高校が準決勝に残っているからです。つっても平日昼間の試合、当然のことながらオレは仕事中ですから、会社で昼飯を食いながらの後半だけの観戦でしたけど、もう今年は指もお魚もくわえる必要はありません。まぁ弁当のシャケはくわえてましたけど。
さて強豪鹿児島実業を相手にしたこの試合、職場のテレビをつけると1-0でリードしています。前半の流れは見てないのでわかりませんが、後半はリードはしているものの鹿実に一方的に押される展開が続いています。鹿実の攻めが雑だったことに助けられてはいましたが、それでも追いつかれるのは時間の問題と思われました。
そして案の定後半28分に守備の乱れを突かれ同点に追いつかれました。しかし、このまま延長突入かと思われた試合終了間際、桑原が相手ペナルティエリアやや外からのフリーキックを直接叩き込んで突き放しに成功。そのまま逃げ切って見事に決勝進出を決めました。鋭いカーブのかかったフリーキックも見事だったのですが、もっと見事だったのが蹴る前から「絶対に入れてやる」というオーラがひしひしと感じられ、そしてその通りに決めてしまったこと。3試合連続となる3ゴール目ですが、そのどれもが同点に追いつくゴールや決勝ゴールであるように、勝負強さも持ち合わせているようです。札幌に来たら是非智樹とフリーキックの奪い合いをして欲しいものです。
そんなわけで決勝の相手は予想通りというかなんというかやっぱりモンスター平山を擁する国見高校。もはやいうまでもない強豪高校ですが、その国見を倒せばオノレの名前と共に札幌の注目度も上がるでしょう。とりあえず、まずはグーグル先生でフルネームを検索すると一番上に来る「ねじ式(原作:つげ義春)」の映画スタッフを追い抜きたいところです。
あとリンク1件追加。千春さんのjin web site。尽の応援サイトです。