ホーム連勝(でも勝ったり負けたり)

明治安田J2リーグ第10節(2025年4月20日・大和ハウスプレミストドーム)
北海道コンサドーレ札幌 2-1 藤枝MYFC

前節アウェイ水戸戦で何のいいところもなく負けた札幌。早くも自動昇格圏へのリミットとされる6敗目を喫し、「昇格」という目標がそろそろ「プレーオフ出場」にトーンダウンしそうな感じの中で、ホームに藤枝MYFCを迎えます。

水戸戦でラフプレーによるレッドカードを食らったバビーこと馬場晴也は、案の定2試合の出場停止…と思ったら、試合前に左ハムストリングスの肉離れが発表されて1ヶ月の離脱コース。しかもゴールデンウィーク連戦にかかる間の悪さにより、2試合どころかプラス5試合くらいのセルフ出場停止となりました。たぶん5月11日のいわきFC戦くらいまではバビー抜きでの戦いを余儀なくされます。

その一方で、負傷で離脱していた宮澤裕樹、深井一希、大﨑玲央のベテラン3人衆が戦列復帰という明るいニュースもあり、そのうち宮澤さん深井さんの2人がベンチ入り。皆さん慢性的な負傷を抱えながらではあるものの、試合間隔が詰まっていく中、守備的ポジションの層が厚くなるのはありがたい話です。

前節発熱で出場を回避した家様が復帰し、ミン様もスタメン復帰。ようやく高嶺主将が最終ラインから開放されたか…と思いきや、なんと高嶺センターバック、西野くんがボランチという奇策。正直何を狙ってその配置にしたのかはわかりませんが、一時期のスガちゃんを思い起こさせる西野くんの酷使っぷり。加えて、西野くん以外の中盤はドゥーくん、りょーちん、カッツと攻撃偏重な選手ばかり。

そりゃあ、りょーちんは中盤で時間作れるし、ドゥーくんはフィニッシュにも絡めるし、カッツはその左足だけで脅威を与えられるから、どの選手も外したくないのはわかるんですけど、実質的にワンボランチなので中盤の3列目は一人で面倒を見てください、文句はバビーに言ってくれという、とにかく千尋の谷に突き落とす感がとてもあります。そら足もつるってもんですよ。

まぁ案の定3列目のフィルターがまったくない状態で、CBに入った高嶺主将もそもそも本職じゃない上に、空中戦が強いわけでもないので、割とゴリゴリ押される展開が続きます。で、なんとなく危ないなぁという空気が漂い始めた前半7分、連続で与えたCKから楠本卓海選手にこぼれ球を押し込まれ、今日も今日とて先制点を献上。ここも笑っちゃうくらい全員棒立ちの守備で、次のプレイの予測が全然できていないことを伺わせますね。犬に手品を見せた時みたいな反応。

小次郎も1本目はよう止めたとはいえ、欲を言えば相手のいないところにはじければもっと良かったですね。これは前節の水戸戦の3失点目もそうですけど、シュートを止めるだけじゃなくてその後のプレイのことも考えて止められるようになれば、守護神のポジションは安泰になると思います。一流のGKはそこまでやってますからね。

とにかく、この試合もまた試合開始早々に失点して、まーたいつものパターンかといやーな空気がプレドを支配します。

相変わらずボール保持はするものの攻撃にあまりスピード感がないので、相手を焦らせるようなシーンもあまりなく、アマドゥさんが気を利かせてサイドに行っても誰もそのスペースを使わなかったり、チェックの無駄走りが涙を誘ったり、高尾くんがドゥーくんみたいなことをやろうとして割と面白かったりはしたものの、有効なシュートもないまま前半30分が経過。

こら今日もあかんかもなぁと思っていた矢先、ペナルティーエリア前で受けたファウルからの直接フリーキックをカッツが決めて同点に。前節もほぼカッツのゴール的なドゥーくんへのアシストをCKから決めており、「左足の魔術師」としてのスタートを切った感があります。決して「福森晃斗2世」とか言っちゃダメですよ

とはいえ前半の見所もそれくらいで、あとは同点に追いついておだった選手が足裏見せて退場しなかっただけで僥倖だったと言わざるを得ない内容。

それでも後半9分、ショートコーナーからりょーちんのクロスをアマドゥさんが頭で決めて逆転に成功します。首を振った方向とボールが飛んでいった方向がまるで違った(たぶんアマドゥさんはゴール右隅に決めようとしていた)のはアマドゥさんの不思議ポイントではありますが、決まれば何でもオッケー。

前から賑やかしに行くだけのチンドン屋みたいなサッカーが展開されますが、プレドでの試合が初めての藤枝もあまり有効な攻撃ができず、そのまま2-1でサッポロが勝利…したのはよかったものの、見通しは相変わらず全然明るくありません。逆転したものの、藤枝の須藤大輔監督(2005年の伝説のロスタイム3失点のヴァンフォーレ甲府戦で2得点を入れた人)が「自滅」と表現したとおり、藤枝の守備も攻撃もあまりハマっていなかった割には、得点はほぼカッツの個人技のFKと、CKからの2点のみ。特にカウンターからシュートを打ち切れないシーンとか顕著ですけど、決めなきゃいけないところで決められないのは、波に乗れない大きな理由の一つですよね。選手が手を抜いてるとは言いませんけど、得失点差が大きくマイナスって事実を意識している選手が果たしてどれだけいるんでしょうかね。

深井さんの復活は大変にうれしいニュースですが、一方でその深井さんと負傷交代で退く形となったミン様も、靱帯痛めてるなら最低2~3週間、ヘタすれば半月板を痛めた可能性もあるし、岡田大和もバビーと一緒に負傷離脱が発表されて、左サイドバックに人がいない。というかそもそも「センターバックが足りないよ問題」すら解決されていないんですけど、ここはもう中村桐耶に何かしらぶち上げてもらうしかないということで、金曜日から続くゴールデンウィーク連戦を乗り切ってほしいと思います。

止まるんじゃねえぞ…