2025年04月一覧

ホーム初勝利

明治安田J2リーグ第8節(2025年4月5日・大和ハウスプレミストドーム)
北海道コンサドーレ札幌 1-0 徳島ヴォルティス 

ここまでホームゲーム2戦して勝利なしと、だいぶ雰囲気のよろしくない中で迎えたホーム連戦、徳島ヴォルティスを大和ハウスプレミストドームに迎えての一戦となります。

徳島は第7節終了時点で順位こそ6位ですが、失点はわずかに2と非常に堅い守備をベースとしており、これは首位を走るジェフユナイテッド千葉や2位のRB大宮アルディージャよりも少ないリーグ最少。そのぶん得点はリーグワースト2の5点ですが、コンサドーレもそこからわずか1点多いだけの6得点ですので、そこに大した違いはないですね。ともあれ、1点がものを言うことになりそうな予感がプンプンします。

一方、開幕からカップ戦含めて8試合を消化しても未だに迷走中感の拭えない札幌は、この日もスタメンを大幅に入れ替え+組み替え。ここしばらく採用している4バックは変わらないながらも、左半分に手を入れて、左CBを西野奨太、左SBに高嶺朋樹を配置。これについて岩政監督は「右サイドに比べて左サイドで前に運べない問題の解決」としていましたが、どうやら対角のパスで一気に局面を打開するという役割のようで、つまりは立ち位置が違うだけで、かつての福森晃斗さんと同じ役割ってことでしょうかね。

ヤマトくんはともかくミン様は使われる側の選手なので、それもわからない話ではないのですが、問題はじゃあその場合ボランチが足りなくなるということ。宮澤さんどこいったんですか。この最終ラインでやれるなら、レオさんや深井さんも戻ればベンチワークも含めてしっくり来そうではありますが、現状どっちもいないので、白羽の矢は木戸くんに。彼の適正ポジションはそこじゃないと思うんですが、いないものは仕方ないってところでしょうか。サイドハーフはいつものりょーちんドゥーくんペア、2トップにアマドゥさん白井くんというメンツ。

さて、攻撃の残念さには定評のあるコンサドーレ、この試合ではアマドゥさんがボールも収まるようになってきたし、さすがに身体も強いので、そのストロングをシンプルに活かす戦法にシフトした模様。具体的には「ロングボールを放り込んでそれを拾っていく」だけの戦術です。

思ってたよりロングボールの精度が思ったほど高くなくて、前線で身体を張るアマドゥさんが、自分を追い越していくボールを遠い目で見つめていたシーンもちょくちょく見られますが、前半終了時点でのパス数上位トップ3が家泉くん(CB)、高嶺主将(SB)、高尾くん(SB)という、データからもわかる極端な中盤省略サッカーが展開されます。

まあね、明確なストロングがあるなら、まずそれを活かした作戦を軸にするべきなんですよ。で、それが上手く行かないなら、パスで崩すなりを試せばいい。それ自体は今までやってきた蓄積もあるんですから、どっちかにこだわる必要なんて何もないわけですよね。持ってる武器は何だって使えって話ですよ。

ただし、そこまでは割と上手く行くものの、最後のフィニッシュの精度がちっとも高くないのが誤算でして。シュートは狙い澄ましたように枠を外していくばかり。シュート6本打って枠内はゼロというのは、さすがに監督の手腕とは関係ありません。

そんで懸念されていた守備もあんまり改善されている感じがなくて、相変わらず相手の前進に対する守り方が緩い。木戸くんがどんなタスクを与えられて中盤に入ったのかはわかりませんが、そこまで対人が強いわけでもない上にポジション的には前目に入りすぎて、広いスペースをほぼバビーがワンボランチで面倒見るような感じ。当然フィルターが効かないので容易に侵入を許すし、ゴール前に人数がいても、相変わらずペナルティーエリアのちょい外あたりのボールにファーストアタックをかける人がいないので、札幌とどっこいどっこいの攻撃力を誇る徳島じゃなければ、遠目からのシュートを決められてたと思います。

実際何本か危ないのがありましたし、ああいう「なんちゃって守備」が改善されない限りは、安定した成績は残せませんからね。小次郎も全体的に良かったですけど、あの辺の守備の指示も遠慮せずに名指しで誰がマークに行くのかを指示してほしいですね。一番後ろの小次郎が一番状況を見渡せるはずですから。

試合は0-0のまま引き分け濃厚かと思われた後半アディショナルタイムに、セットプレイからの流れで前残りしていた家泉くんが、ハッセからのクロスを頭で決めて劇的な決勝ゴールを挙げてようやく今季のホーム初勝利を決めました。

さて、この試合の一番の見所といえば、やはり西野くんをプレイと関係ないところで蹴ったルーカス・バルセロス選手に激昂して一触即発になりそうだったバビーとの間に割り込んで、止めるかと思ったら最前線で戦い始めた岩政監督でしょう。

オレは昭和の野球ファンなので、乱闘は大好きですし、特に監督本人が出てくるのは大好物です。平成になっても巨人対ヤクルトとか別の意味でワクワクしましたもんね。

やはりこうでなくては

家泉くんの決勝ゴールでは、ベンチの現役選手たちにも劣らない速力で家泉くんのところまでダッシュしたりなど、おもくそ感情豊かなところを見せたことでだいぶ回復した感じがあります。

監督本人にとっては、ある意味ルーカス・バルセロス選手には感謝なのかもしれませんね。蹴られた西野くんには気の毒ですが。今後もインテリキャラとしてではなく、「Jリーグ1熱量と運動量の多い監督」として大胆なキャラチェンジをしてほしいと思います。

でも守備は整備してね。