とほほ…みんなのスタジアム

YBCルヴァンカップ1回戦(2025年3月26日・とうほう・みんなのスタジアム)
福島ユナイテッドFC 6-3 北海道コンサドーレ札幌

完璧な守備などといったものは存在しない。完璧な攻撃が存在しないようにね。

いやまぁ完璧な守備なんてないんですけど、札幌の場合守備そのものができていないと言ったほうが正しいかもしれませんね。サッカーはロースコアのスポーツとはいえ、5点や6点入る試合というのもそんなに珍しいものでもないし、過去にも6失点とか7失点とかしたこともあれば、逆に8点入れたこともあるので、6失点という結果それ自体に文句を言いたいわけではありません。

「開始早々に一発レッド食らってほぼまるまる一試合数的不利を強いられた」とか、「震災の影響で満足にトレーニングできないまま試合をせざるを得なかった」とか「相手にオルンガとかいう暴力装置がいた」とか、そういう理由があるなら大量失点もしゃーなしです。あとは単純に相手が強かったとか、あるいは運が悪かったとか、そういう場合もあるでしょう。それなら、赤べこにでも噛まれたと思って切り替えようぜって感じにもなります。

ただこの試合の…というか前節も触れた通り今年の試合全般に言えるんですけど、「すべての失点を失点するべくして失点している」ってのが本当に絶望しかない。今のコンサドーレの守りを見ると、だいたいこんな感じ。

  • 「バックパスには詰める」くらいは決まってるらしいが、逆に言えばそれくらいしか決まってないのか、後ろがついてこないのでたいていは単騎特攻
  • 後ろが連動していないのでプレスが続かず、相手は普通にパスが通る
  • 「前で奪えなかった場合」のセカンドプランがないらしく、前の選手が戻ってこない
  • ボールホルダーに誰がつくのか決まってないのか、ドリブルしてきた相手をサボテンの花を慈しむように見ている
  • 自分の近くになってようやくプレスに行くものの、パスコースも限定せずになんとなく詰めるだけなので、普通に交わされるか普通にパスを通される
  • さらにはそれを2人同時にやるので、2人まとめて交わされることもザラ
  • なので後ろの人が自らのマークを捨てて当たるしかないので、空いた選手に通される
  • 以上を繰り返した結果、無血開城

負けてて前掛かりになってたわけでもないのに、相手のビルドアップから1対5の状況になったシーンが象徴的でしたけど、それ以外のシーンでもだいたいこうでしたからね。さらに言えばレギュラークラスのリーグ戦でもだいたいこんな感じという、割と絶望的な感じ。自分もサッカー戦術に関しては素人みたいなもんですが、それにしたってこの守り方が何のフィルターにもなってないってのはわかります。

ミシャの時も安い失点は多かったですけど、明確にマークの相手が決まってたマンツーマン(一人一殺)と違い、誰が誰のマークにつくのかはっきりしてないぶん、より悪くなってる感じ。あとは岡村大八がいるかいないかの違い。まぁいても降格したんですけど。

ちゃんと守備の約束事を決めてるのにそれを選手がやれてないのか、それとも約束事自体がほとんどないのか。いずれにしてもDF出身の監督とは思えない適当さ。開幕してからこれまで1つも無失点試合がないのも、ちゃんと理由があるわけです。リーグ戦は一応連勝中ですが、これが修正されない限り、あまり前向きになれそうもない…というのが正直なところ。

あらゆるボールは通り過ぎる。誰にもそれを捉えることはできない。コンサドーレはそんな風にして生きている。