明治安田J2リーグ第6節(2025年3月23日・ニンジニアスタジアム)
愛媛FC 1-2 北海道コンサドーレ札幌
前節ようやく今季初勝利を挙げた札幌は、今節は愛媛FCのホームスタジアムであるニンジニアスタジアムに乗り込んでの、またしてもアウェイ戦となります。開幕6試合で5試合目のアウェイ戦。要するにここまでホームゲームは1試合のみしかやってません。
どのみち3月頭くらいまでは札幌では練習できないのでしゃーないっちゃしゃーないんですが、年々早まる開幕に対応するために「死のロード」を強いられているのが雪国なわけで、今年の3月までの試合日程では、ルヴァンカップ含めた8試合でホームゲームはわずか2つ。もうさァッ無理だよただでさえアウェイ遠いんだからさァッ。だったら夏場にホーム3連戦設定してくれよ(まぁそれはそれでピッチ管理等の観点では問題があるんですけど)。
という文句はさておき、そのアウェイの中でも殊更に苦手な四国での試合。特に愛媛での試合はあんまりいい思い出がないというのが正直なところで、ニンスタでの対愛媛戦通算成績は、これまで11試合で3勝2分6敗と大きく負け越しているだけでなく、意味不明なジャッジで2人退場して三浦俊也監督(当時)のブチギレ会見とか、なんかだいたい石井(謙伍)ちゃんに恩返しゴール決められてたりとか、しょっぱい試合が多いのも特徴です。
そんな例に漏れず、この試合も立ち上がりわずか9分で先制を許す何ともしょっぱい展開に。確かに失点の直接的な原因はDF家泉怜依とGP中野小次郎の連携ミスですし、みんなそこばっかり問題視してますけど、そもそもクロスを上げた選手に全然寄せてないじゃんねというのはあまり触れられないですよね。まず「簡単にクロスを上げさせない」というのはゴール近くの守備の大前提だと思うんですけど。そこがまずダメで、その上であのクロスは小次郎はレイくんを蹴っ飛ばしてでもボールを取りに行くべき場面でそうしなかったのがミス、加えて中村桐耶のへっぽこクリアが重なれば、そりゃ失点もしますってもんで。結果論ですけど遠くにクリアできる状況じゃないなら、コーナーに逃げるのもアリなんですよ。
これに限らず、守備面では捕まえに行くのか、それとも撤退してブロックを作るのかの意識が共有されているのかはっきりしません。というか開幕からずっとそうなんですけど、パスコースを限定する意図もなく前から取りに行って普通に交わされ(当然)、そこからフリーの相手に前進を許し(当然)、たまらずカバーに行くのでマークがずれ(当然)、その結果、別に前掛かりになってたわけでもないのに、相手が最終ラインでボールを保持してからわずか30秒ほどでペナルティーエリアへの侵入を許すという、まさしく電光石火の「泥棒を見て縄をなうサッカー」をずっと見せられています。「守備の文化がない」とおっしゃいますが、これはもう文化みたいな高尚なもんじゃない。

できてないならやらせなさいよ
攻撃面でもいまいちパッとはせず、ボールを運べるチェックことスパチョークがタイ代表の試合で不在なので、もっぱらラマダン中で調子も万全ではないアマドゥさんお願い作戦を決行しますが、日没までは水も飲まないというアマドゥさんの調子はお世辞にも良くない上、強風の影響もありなかなか上手く行かず。というか4バックだろうが3バックだろうが各選手の距離と流動性があんまりよろしくないのは相変わらずで、ハッセこと長谷川竜也がクロスにヘッドで合わせ、相手DFに当たってこぼれたボールをジャンピングボレーする「ザ・ハッセショー」を見せたり、局地的な見所はあったものの、結局は個人で何とかしないといけないって部分は解消されていません。
それでも、その中でも違いを見せられる選手がそれなりに揃っている中盤が頑張りを見せます。36分、相手ペナルティーエリア近くでのわちゃわちゃした展開から、浮き球に絶妙なコントロールを見せた、バビーこと馬場晴也からの浮き球のスルーパスを受けたドゥーくんこと近藤友喜が上手く抜け出し、グラウンダーの折り返しに走り込んでいたアマドゥさんが押し込んで同点に追いつきます。
前半のうちに追いつけたのは僥倖でしたが、後半は風下になったこともあって、愛媛に押し込まれる展開が続きます。というかやっぱり守備の連動ができておらず、簡単にゴール前まで持って行かれる始末。相手のシュートミスや判断ミスに助けられてはいたものの、勝てそうな感じが一切しません。
まぁこれは良くて引き分けかねえ…なんて思っていた後半37分、右サイドからのクロスボールが抜けてきたところに待ち構えていたゴニことキムゴンヒが右足で上手く合わせて逆転ゴールを決めます。決して意図した形でのゴールじゃなかったとは思いますが、どんな形でも1点は1点。というか、ぶっちゃけ綺麗な崩しからの完璧なゴールなんてそうそういらんので、とにかく何でもいいからクロスボールを放り込んで試行回数を重ねれば、J2ならそのうちなんとかなるんですよね。コネコネしながら1本のベストタイミングクロスを狙うより、多少適当でも5本放り込んだほうがいいって話ですよ。ゴニなんて多少アバウトなクロスでも合わせてくれるんだから。もっとも、逆に「コンサドーレから点を奪うにはそう多くの試行回数を必要としない」のもなんとかしてほしいところなんですが。
まぁともあれ、苦手な愛媛アウェイで勝点3と連勝をゲットできたのは悪くないことですので、こうやって悪いなりにも勝ちながら連携を深めつつ、自信を取り戻していってほしいところですね。あとほんと基本的なことを普通にやって。攻撃的とかその後でいいから。