明治安田J2リーグ第5節(2025年3月15日・ソユースタジアム)
ブラウブリッツ秋田 1-3 北海道コンサドーレ札幌
今節はブラウブリッツ秋田のホームスタジアムであるソユースタジアムでのアウェイ戦。秋田には仙北市に親戚がいるので、アウェイ戦に合わせて行きたいと思っていたんですが、残念ながら自分のオケの本番と重なってしまいかないませんでした。
ブラウブリッツ秋田は、2010年に誕生したJでも比較的新しい部類に入るクラブですが、前身となっているのは東北の古豪であったTDKサッカー部(1965年創立)で、クラブそのものの歴史は、ベガルタ仙台(前身は東北電力サッカー部・1988年創立)やモンテディオ山形(同NEC山形サッカー部・1984年創立)よりも古かったりします。
TDKは既に経営からは撤退しているものの、現在でもブラウブリッツ秋田のトップスポンサーです。我々の世代にとっては、TDKといえばカセットテープですよね。マクセル派かTDK派の争いがあったように思います(SONYはそれほど人気なかった)。レンタルショップでCDを借りてきて、無駄にハイポジのカセットテープを買ってダビングして、レタリングシートも買ってきて綺麗にアルバム名とか入れて、Aが足りなくなるってのがオレたちの青春時代でした。
さて、そんな老害の思い出語りはどうでもいいとして、開幕4連敗と絶不調のまっただ中にいる札幌。今年も怪我人の多さに悩まされ、ベストメンバーが組めない中、悪いときには悪いことが重なるもので、前節脳しんとうで試合開始早々に交代したスゲさんが復帰プログラムの途中で欠場。FWアマドゥさんはラマダン中でベストコンディションではないなど、好材料の少ない中での試合となりましたが、3ゴールを決めて今季初勝利を収めました。秋田といえば秋田犬、きっとピッチ脇にはもふもふの秋田犬がいっぱいいるに違いないと思ってたのに、犬なんていないじゃないか。騙された。選手たちの中には、そんな怒りもあったのかもしれません(ありません)。

秋田といえばこの人(突然)
「選手たちが慣れた3バックをベースにしようと思ってたけど、むしろ迷ってしまう」からなのか、岩政監督はこの試合で4バックを採用。これまでも何度か試合の中で4バックをやる場面はあったのですが、ド頭からという割り切りはたぶん初ですかね。じゃあ左サイドバックとして一番適任なのは誰か…というと当然ミン様なんですけど、怪我でいないので、岡田大和くんを大抜擢。今年は2節でベンチ入りが1度あるだけで試合出場はないものの、確か大学まではずっとサイドバックだったはずですし、パラメーター攻撃全振りの宏武くんよりは適性は高いですよね。
また、これまで右のウイングバックに置いてたけど、マークされてサイドに押し込められることが多かったドゥーくんこと近藤友喜を、ポジションを絞らずに相手を引っ掻き回す役割に変更しました。ドリブラーの印象が強いドゥーくんですが、スピードも割とあってヘディングもそこそこ強く、シュートも上手いので、よく考えたら右サイドに縛り付けておく必要もないのですよね。
これが功を奏し、1点目のりょーちんのゴールは、左サイドでボールを持ったりょーちんを外から追い越した大和くんに相手DFが釣られ、マークが下がったことによるもの。あの位置でりょーちんにスペースと時間があれば、ほぼゴールは確定演出されたようなもの。影のアシストと言ってもいいでしょう。
2ゴール目もアマドゥさんからのめっちゃ危ない横パスがなぜか高嶺主将に通り、そこから流れるような攻撃でチェック→りょーちんとつなぎ、りょーちんからグラウンダーのクロスをドゥーくんがニアサイドで合わせてゴール。「クロスに対してニアに走り込む」あたり、確かに右サイドだけに固定するにはもったいない選手。この辺の策は見事に当たりましたね。
後半も開始早々にコーナーキックから家泉のレイくんが押し込み追加点を奪いますが、良かったのはおおよそここまで。この後は課題の守備連携の綻びを随所に見せ、さくっと1点を返された他、それ以外でも危ないシーンを何度となく創出。ピンチクリエイターの面目躍如とばかりに、秋田に馳せ参じたたくさんのサポーターに対しても、「コンサドーレに”楽勝”という言葉はない」という信念を遺憾なく披露しますが、なんとか2点差のまま逃げ切り今季初勝利をゲットしました。