気がつけばJリーグ開幕です。北海道コンサドーレ札幌の試合は2月16日。日付的にはもう明日。
札幌では雪解けどころかついこの間雪まつりが終わったばっかりで、「外でサッカー? 寝ぼけたこと言ってんじゃねえよ」という状況なのに、寝言を寝ずに言うJFAとかJリーグがACLだの秋春制だの数多の陰謀を張り巡らした結果、今年は例年よりもさらに早まって、2月の中旬の開幕となりました。
まぁその話については本題じゃないので置いとくとして、開幕直前だし、久しぶりのJ2なので、久しぶりに今季のチーム陣容について書いてみようかなと思い立ちました。たまには更新しないとね。
<INとOUT>
というわけで、まずはOUTから。契約満了の選手は除くとして、降格したときには相当な草刈場になるだろうと予想していたものの、蓋を開けてみれば、移籍したのはDF岡村大八(→FC町田ゼルビア)とMF浅野雄也(→名古屋グランパス)、FW鈴木武蔵(→横浜FC)くらい。ハチくんは真っ先に争奪戦になるだろうからもう覚悟は決まっていましたし、武蔵くんは…まぁ沼田市長の天然で混乱を招いたこともありましたが、そもそもレンタルだった上に年俸的にも数字的にもそこまで無理して残す必要もない(彼を残せるくらいならそもそも駒井さんやスガちゃんを切ってないだろうし)、雄也くんもぶっちゃけ去年からいないも同然で、度重なる肉離れしてるうちにチームも離れてしまったという感じですから、実質的に抜けた穴はハチくんのみと言ってもいいかもしれません。
INについては、レンタルバックの選手を除けば、今季の新加入は2人のみ。そのうち1人は新卒加入の木戸柊摩くんなので、補強は実質1人だけ。去年の夏は一気に7人を加えて、来年のぶんまでやっちゃえみたいな補強の仕方だったので、今季のシーズン前補強は少ないだろうと思ってはいましたが、多くのメンバーがチームに残ってくれたこともあって、予想よりも少ない上に、その1人がまさかの高嶺朋樹カムバック…というのはさすがに予想してませんでした。第一報が出たときは飛ばしにもほどがあると思いましたもん。
木戸くんも特別指定で何試合も出ていますので、「いる選手全員知ってる」という、コンサドーレの歴史を振り返ってもほとんどなかったような珍しい陣容でシーズンインを迎えました。
去年の低迷の大きな要因は「キャンプからケガ人続出でメンバーが全然揃わなかった」ことだと思いますが、今のところは大きな怪我人もないようなので、
メンバーさえ揃えばJ1でも普通にやれていたので、質的な部分でも不安はないかと思います。あとは控えの選手の底上げをどこまでできるか…ですかね。
選手の並びは50音順です。
<GP>
今季からクラブではGKを「GP(ゴールプレイヤー)」と表記を改めるらしいので、こちらもそれに倣って「GP」と表記します。コンサドーレは伝統的にGPには恵まれているクラブで、阿波加俊太が引退して年齢的なバランスはちょっとあれですが、今年も贅沢なメンツでお届けます。
#1 菅野孝憲
今年41歳になりますが、ケガとかでもない限りは普通にスタメン候補筆頭でしょう。「引退まで札幌でやる」を有言実行しそう。公式アプリを解説するなど、副業にも余念なし。まぁ本当に何も言うことがない守護神様。ヴェルディユース出身。
#17 児玉潤
Jで一番身長の低いGPながら、地域リーグからJ1まで這い上がってきた苦労人。2024最終戦でも回ってきたチャンスに安定したプレイを披露した通り、実力的にも申し分はないので、GPの序列的に2番目か3番目かわからないものの、不測の事態があったとしても安心できるレベルではある。割烹着もよく似合う。こちらもヴェルディユース出身。
#51 高木駿
去年もケガがなければレギュラー争いをしてたはず。序列的には2番目だとは思うが、練習風景の写真に姿が見えないのが気になる。もしかしたら膝の調子があまりよくないのかもしれないが、ケガさえ問題なければ、この人が控えにいてくれるのは普通に贅沢。やっぱりヴェルディユース出身。
#34 中野小次郎
Jで一番身長の高いGPながら、いまいちそれを持て余し気味。至近距離からのシュートストップはめちゃくちゃうまいのだけど、ミドルシュートにめっぽう弱い。逆にいえばそこさえ改善されればちゃんと出番は来るだろうと思うのだけど。ヴェルディユース出身…ではなく、ヴォルティスユース出身。若干惜しい。
<DF>
もう何年も前から足りてないポジションながらも、個人的に「残ってくれるとは思ってないが、何かの間違いで残ってくれないか」と思っていた岡村大八とパクミンギュのうち、ミン様は残ってくれた。ハチの穴は決して小さくないものの、この状況でいなくなったのが大八抜きだけで済んだことを幸いとすべきでしょう。どうでもいいですけど「大根抜き」って道民しか知らないらしいですよ。
#15 家泉怜依
通称家様。新加入だった去年は膝のケガもあって思ったように試合に絡めなかったが、ハチが抜けた今、純然たるセンターバックらしいセンターバックは彼くらいなので、とても期待している。膝もだいぶ良くなったらしいので、ボールを含むすべてをかなぐり捨てて相手を滅することに賭けたい。惡鬼滅殺。そう言われればなんとなく「柱」っぽい。岩柱。
#25 大﨑玲央
札幌加入後は中盤をやることが多かったものの、もともと神戸では最終ラインに入ることが多かったので、やってできないことはなさそう。もちろん実力は申し分ない。去年はしばらく試合から離れていたこともあってフル出場も少なかったが、キャンプからトレーニングを積んだ今年は、その辺も問題ないだろうと思われる。本人の顔立ちも整っているが、息子くんは輪をかけてイケメンである。
#28 岡田大和
ポテンシャルはあると思うが、札幌の左サイドとしてはいまいち狂気が足りないのか、なかなか出番が得られずレンタルで外に出ていた。レンタル先でもいまいち試合に絡めていないようではあったものの、一皮むけてもらわないと困る組の一人。田中駿汰風味の金子拓郎顔。
#2 高尾瑠
去年の前半はケガもあって散々な出来だったものの、コンディションが上がってからは目を見張るようなプレイを随所に見せていた。彼がいるとバビーを中盤で使えるのもメリットだが、なんだかんだケガが多いので、少しでもケガの少ないよう祈るしかない。笑った顔がいっこく堂さんに似ている。
#4 中村桐耶
菅大輝がつけていた4番を受け継ぐ。脈絡のないドリブルで相手はもちろん味方も翻弄し、サポーターをブチ上げる炎の男。今年も存分にブチ上げてほしい。一方対人守備はそこまで得意ではないので、スガちゃん去りし後の左WBが適正か。今まではハチに、今年は高嶺に隠れることになるが、笑顔がかなりのレベルであざとい。むかわのスター。
#47 西野奨太
カマタマーレ讃岐(J3)への育成型期限付き移籍から復帰。レンタル先では13試合に出場と、割と充実していたと思われる。器用なタイプなのであとは強さを身につければ実力的にはJ2でも充分にやれると思っているので、讃岐での経験も生かしつつ、レギュラーポジションを狙ってほしい。いつだって盛り上げ役のナイスガイ。
#3 パクミンギュ
通称ミン様。去年うっかり代表入りしてしまった(ただし洪明甫のメガネ割る案件、※洪明甫さんはノンメガネ)ため、残ってもらえないかと思ってたけど、残ってくれた。左サイドは層が薄いこともあって、いるといないとでは大きく違うので、マジでうれしい。実力自体は折り紙付き。90分走り回った挙げ句にアディショナルタイムにカウンターで最前線まで全速力で上がっていくのは、ちょっとおかしいレベル。
#88 馬場晴也
通称バビー。チーム事情で3バックに入ることが多かったし、U-20代表でもDFをやることが多かった気がするが、最終戦でマテウスサヴィオに仕事をさせなかった働きを見るに、中盤のほうが活躍できそうな気はする。いかにもヴェルディユース出身らしく、ファウルをもらうのもとても上手い。SixTONESの森本慎太郎系統のイケメン。
<MF>
個人的に「残ってくれるとは思ってないが、何かの間違いで残ってくれないか」と思っていた青木良太、近藤友喜、スパチョークの3人が全員残留、その上まさかの高嶺朋樹復帰で、J2でも屈指の陣容と思われる。ただしポジション的なバランスは若干前に偏り気味なので、岩政監督はどう組むか。顔面レベルも超高い。
#11 青木亮太
通称りょーちん。チーム随一のテクニシャン。本来は攻撃的なポジションだったものの、器用な故にチーム事情からサイドにボランチにと便利遣いされがちだった。ゴール近くに置いておけば、チャンスメイクだけじゃなくフィニッシュにも絡める。実は昨季で契約が切れ、他クラブからの引き合いも多くあったが、いつぞやのハロウィンでコスプレをしていた某怪盗のように、札幌残留の決断で俺たちの心を盗んでいきました。あんまりそうは見えないけどこの人もヴェルディユース出身。
#27 荒野拓馬
通称パイセン。良い時はピッチのあらゆる所に顔を出し、ボールに絡んだ上で無駄に賑やかしていくオールコートマンだが、昨季はグロインペイン症候群に悩まされ、あまり良いパフォーマンスを発揮できなかった。キャプテンでありながら試合に貢献できないことに本人もふがいなさを感じていただろうけど、今年は一歩後ろから好きなだけ賑やかしてほしい。
#31 木戸柊摩
大阪体育大学より鮭加入。大学2年の冬に早々に加入内定が発表され、昨年一昨年と特別指定としてルヴァンカップに学徒動員され、なかなかのパフォーマンスを見せた。「U-21枠」というわけのわからない制度のおかげで、怪我してるのに無理矢理出る羽目になったことも。プレイスタイル的にはスパチョークに近いと勝手なイメージを持っているので、パスも出せて得点も取れる選手になってほしい。笑顔がさわやかな好青年。
#33 近藤友喜
「まず間違いなくいなくなるだろう」と思われていた中、真っ先に残留宣言。「自分が残ると宣言することで他の選手も残りやすくなるかも」という配慮だったというのだから、イケメンのくせにおじさんのハートをつかむことにも長けているほど内面もイケメン。日本代表畑大雅(湘南)をして「一人じゃ止められないからヘルプよろしく」と言わしめたくらいの突破力は、今季も大きな武器になるはず。怪我にだけは注意してほしい。
#7 スパチョークサラチャート
通称チェック。去年もこの人がいるといないとでは大きく違ったくらいの選手。外国籍枠を消費しない定型国の選手、J1でも充分に通用するアタッカーであることや、背後にあるタイ市場も考えると引く手あまたかと思われたが、残ってくれた。裏抜けもシュートもうまいので、2トップの片割れとしてもよさそう。筋肉系のトラブルが多いのでそこは気がかり。コロコロコミックの真ん中あたりに載ってるマンガに出てきそうな顔をしている。
#6 高嶺朋樹
3シーズンぶりに復帰。「狂犬」と呼ばれる強烈なタックル、「高嶺ターン」と呼ばれる誘い受けプレイ(※たまに引っかけてピンチを招く)、「菅キャノン」にも勝るとも劣らない強烈なミドルシュート(※ただし決まるのは年1くらい)など、J2では反則クラスの能力を持つ。何の因果かピンチに舞い戻ってきたこともヒーロー感ある。今年は主将も務める。この人も笑顔があざとい。
#14 田中克幸
通称カッツ。ルーキーイヤーはケガもあって満足なシーズンとは言えなかったかもしれないが、アビスパ福岡戦の同点ゴールなど、ポテンシャルの片鱗は随所に見せていた。ミシャ体制ではボランチに入ることが多かったものの、本来はもう1列前のほうがよさげな感じ。ただの勝手な推測だけど、いろいろな言動から、かなりの確率で人見知りだと思われる。なぜなら同族っぽさを感じるから。
#30 田中宏武
加入以来、芽が出そうでなかなか芽の出ないもどかしいシーズンが続いているが、ルヴァンカップではゴールに絡むことができていたように、能力的にはやれないはずがないので、ドリブルというストロングを活かしつつ、プレーの幅を広げてほしいところ。何しろサイドアタッカーは貴重なのだから。ドリブルで抜きながらスタンドのファンに色目を使うくらいのことはやっていい(いくない)。
#16 長谷川竜也
通称ハッセまたはハセタツ。派手なプレイはあまりないが、いろんなポジションを高いレベルでこなせる器用な選手なので、この人がベンチにいると戦術的交代の幅が広がる。ベンチ入りメンバーも増えた今年、岩政体制下でも重用されると思うし、何しろかっこいいので重用されてほしいが、去年もそうだったようにこの人もけっこう筋肉系のトラブルが多いのが心配どころ。
#35 原康介
昨季は高卒ルーキーとして加入。大学受験との両にらみをしつつコンサドーレのキャンプに参加し、見事に契約を勝ち取った。怪我人続出のチームにあって回ってきたチャンスを生かし、チーム初ゴールをゲット。怪我人復帰&夏の大補強で出番を失いがちであったものの、出たときには意地のゴールを挙げたりなど、ただ者ではないところを見せている。2年目の今年も遠慮なく飛躍してほしい。息子にしたい選手No.1。
#8 深井一希
5度目の膝の大けがを乗り越え復活したものの、その後膝の状態が悪化して出場できず。今年もだましだましのプレイになりそうだが、彼がピッチにいるだけで誇張なく雰囲気が変わるので、何事もないことを祈るだけ。「ダンプカー」と呼ばれる無慈悲なタックルは、全力の深井さんなら相手が月寒グリーンドーム(跡地)まで飛んでいった上に異世界転生する羽目になるので、出力を抑えざるを得ないことに敵チームは感謝すべき。
#70 フランシスカン
通称カンちゃん、カンタロー。昨季途中から加入したものの、天皇杯で少し出ただけで、結局リーグ戦ではベンチ外が多く、ベンチに入れても使われることなく、リーグ戦出場はゼロで終了。ミシャはよっぽど違いを見せない限り新しい選手を使う人手はないのでそれは仕方ないにせよ、貴重な左利きのサイドアタッカーなので、体制の変わった今年は、ブレイクするかもしれないし、しないかもしれない。
#10 宮澤裕樹
「北海道から出たくない」という理由で他クラブからのオファーを断り続けて18年。札幌のバンディエラももう今年で36歳、既にベテランの域ではあるものの、勘所を押さえたプレイは健在。「危ないところに必ずいる」のが宮澤裕樹という男。酸いも甘いもかみ分けてきた経験は、今年こそ十全に発揮できるはず。笑った時の糸目がチャーミング。
<FW>
背の高い選手が揃っているので迫力はじゅうぶんだが、得点力と言われるとちょっと心許ない感がある。ゴニがケガなく1年間プレイできるか、何かの間違いでタイカが誰かが覚醒したり、どさくさ紛れに白井くんが15点くらい取ったりしない限り、「危なげなく勝ち」という試合はあんまり多くなさそう。
#20 アマドゥバカヨコ
シエラレオネから来たナイスガイ。昨季途中加入し、来日早々PKで初ゴールを挙げたものの、ルヴァンカップで絶好のシュートを外したり、その後ガンバ戦で意味不明なプレイを連発して逆転負けの遠因となるなどで、なかなか出番をつかめなかった。点取り屋になるにはいろんなものが足りない気がするが、とにかくナイスガイなのである。
#99 出間思努
シド・イズマと表記するとガンダムの登場キャラっぽくなる。昨季はルヴァンカップと天皇杯で試合出場を得たものの、あまり爪痕は残せなかった。無理な体勢でもシュートを枠に飛ばせるなど、技術はちゃんとあると思うので、積極性とエゴイズムを身につけてほしいところ。ストライカーは「俺様」でなければならないのだ。
#13 キムゴンヒ
通称ゴニ。この人もグロインペインやら肉離れやらで昨季はほとんど試合に出られなかった。無事だったら少し残留の可能性は増してたかも知れない。今年も「コンディションがまともなら」という但し書きがついてしまうが、能力は間違いないので、くれぐれも怪我には気をつけてほしい。お願いだから。美白の貴公子といえばこの人。
#22 キングロードサフォ
通称キング。ガーナからやってきたロマン枠。何かの間違いでロマンが爆発すればだいぶ楽にはなると思うけど、何しろ見たことがないので何とも言えない。ダヴィも来た当初はあんなに活躍するとは思ってなかったので、そうなる可能性はなくもない…というかつての成功体験を追い求めて、今日もロマンは続いていく。まさに令和ロマン。
#9 ジョルディサンチェス
昨季途中で加入後、ルヴァンカップで来日初ゴールを挙げたものの、ミシャの信頼を勝ち取るまでには至らず。練習見る限りシュートは抜群に上手いけど、「スペインのミラン・トゥチッチさん」の域を脱することはできなかった。今年はもっとエゴを出してほしい。スペイン国籍だが普段のコミュニケーションは英語らしく、アメリカンフットボールも好きらしい。というかX(Twitter)のポストはほぼアメフトのリポスト。
#71 白井陽斗
浪速のスピードスター。得点力を期待されて日本最南端のJクラブから日本最北端のJクラブに来たのに、なぜかサイドで使われたりなどで、あんまり特長を生かし切れなかった。今季は2トップになるっぽいし、FWの一角として出る場合はおそらく相方はデカい人になると思うので、競ったりするのは他人任せにして、虎視眈々とゴールを狙ってほしい。
#45 中島大嘉
水戸ホーリーホックへの期限付き移籍から復帰。水戸での試合もいくつか見たけど、正直プレイよりもしょっちゅうTwitter(X)で炎上していたほうが印象が強い。とはいえ半年でゴールも4つ獲っていたので、悪くないシーズンではあったと思われる。いろいろ言われるけど、たぶんあのやんちゃ坊主のままのほうがいいのだろう。