2019明治安田生命J1リーグ第14節
北海道コンサドーレ札幌 1-0 サンフレッチェ広島
得点者：札／早坂良太（63’）　広／なし

開幕戦に敗戦した後2連勝して3連敗、その後4連勝したかと思ったら3戦連続勝利とゴールなしと、相変わらずパリピモードとダウナーモードがはっきりと分かれている札幌。連敗こそしてないとはいえ順位はじわじわと下がり続けていますが、今節の相手は同じ勝点で並んでいる7位のサンフレッチェ広島をホームに迎えての対戦となります。

広島は第7節まで5連勝を含む負けなしで首位をひた走ってきたのに、第8節以降は5連敗。前節ようやく浦和に勝利し連敗を止めましたが、札幌以上に波の激しい成績となっています。去年も独走してたかと思ったら6連敗とかしてるし、そういうチームなのかもしれません。

その広島とは、去年の最終節に「札幌は勝てばACL」という状況で対戦し、チャナティップとジェイのゴールで先制しながら、2点のリードを守り切れず引き分けに終わり、ACL出場を逃したのは記憶に新しいところ。選手たちもやはり悔しかったようで、進藤亮佑もDAZNのプレビューショーで「リベンジしたい思いは強い」というようなことを語っておりました。そんなこと言われても、サンフレッチェ広島にとってはただの逆恨みでしかないような気もするのですが、目上の敵である広島を倒せば順位は逆転しますから、これ以上上位に離されないためにも、ここは是非とも勝っておきたいところ。

なんですが、札幌は相変わらず苦しい台所事情。ガンバ戦で膝を痛めて負傷交代した宮澤裕樹だけでなく、練習中にハムストリングを痛めたチャナティップまで欠場。膝の靱帯を痛めたアンデルソンロペスや、半月板損傷の駒井善成の復帰はまだしばらく先になる見込みで、飛車角金銀落ちの状況です。前節からキング・ジェイは戻ってきたものの、まだコンディションが戻ってきていないのかベンチスタート。チャナティップに代わる2列目には、やはりというかなんというか、「ミスターワイルドカード」早坂良太が入りました。

さて試合。かつてミシャが率いていて、ミシャサッカーの弱点もよく知っているだろう広島は、ガンバ大阪以上に露骨に引いて守ってきました。

まぁ札幌の攻撃力を警戒している…というよりは、札幌を相手にするには真っ向勝負だと浦和や清水みたいな目に遭いかねないですから、札幌のサッカーに付き合わず、自陣に相手を引き寄せてから奪ってカウンターを狙うというのが一番手っ取り早い、というのが本音でしょう。実際、ここ数戦を見てるだけでも、その方法で数的優位のカウンターを仕掛けたり、相手GKと1対1になるシーンがだいたい毎試合ありますからね（ほとんどソンユンが防いでるのでソンユンは神）。

この試合でも札幌はカウンターに相当気を使いながら攻めているのは見て取れたのですが、それでも前半19分、中盤でボールを奪われ、ドウグラス・ヴィエイラの「あたまスルーパス」という珍しいシーン（判断とあたまがうまかった）から清水航平にGKとの1対1にされかけるも、「小樽の頑張り小僧」ことガースーが小僧走りで頑張って戻ってきたことで、相手のシュートミスを誘発。ここは事なきを得ます。

ただ前半のピンチらしいピンチはこれくらいで、あとは札幌がボールを持っているシーンがほとんど。とはいえ札幌もなかなかゴール前を固める広島に対してシュートまで持って行くことができず、前半のシュートらしいシュートは29分に福森が放ったのと、終了間際の進藤のミドルシュートの2本くらい。いずれも広島GK大迫を脅かすほどのものではなく、前半はスコアレスのまま終了します。

後半も引き続き攻める札幌、守る広島という図式は変わらず。じりじりとした展開が続く中、試合が動いたのは後半18分。わりと何でもないロングボールをヘディングで逸らした早坂良太からのボールに反応した鈴木武蔵が反転して突進。飛び出してきたGK大迫に倒されるものの（ノーファール）、そのこぼれ球を早坂が角度のないところから蹴り込んで、ついに先制ゴールをゲットしました。

4試合ぶりのゴールに沸き立つ札幌ですが、ここからが正念場でした。まず先制後の21分、右サイドでいいアクセントをつけていた中野嘉大が負傷し、白井と交代。続く26分にはエース鈴木武蔵も足を痛めて交代となってしまいました。

交代で入ってきたジェイがさすがの貫禄を見せ、表立っての影響はないように見えたものの、後半42分にルーカスフェルナンデスが2枚目のイエローを受けて退場となってしまいました。

前半で1枚すでにもらっていたのにああいうことするルーカスが悪い、と思いつつも、そもそもその前のプレイはどうみてもオフサイドではなかったのでは？　と思ったのですが、検証の結果オフサイドだったようで、やっぱりルーカスが悪いわ。レフェリーは正しかったです。

まぁいずれにしても数的不利となった札幌は、守り切るだけの作戦を余儀なくされます。交代で入ってきたパトリックに決定的なシュートを打たれますが、守護神ソンユンがファインセーブでこれを防ぎ、なんとか逃げ切りに成功。4試合ぶりの勝利となりました。