2019明治安田生命J1リーグ第16節
北海道コンサドーレ札幌 3-1 サガン鳥栖
得点者:鳥/金崎夢生(70’) 札/石川直樹(19’)、ジェイ(31’)、鈴木武蔵(84’)
前節は鬼門・等々力陸上競技場でなんとか勝点1をゲットした札幌は、今節ホームで最下位サガン鳥栖との対戦となります。
昨季、フェルナンド・トーレスの電撃加入で話題をさらったものの、順位は14位、自動降格圏との勝点差はわずか2、入れ替え戦に回ったジュビロ磐田とは同勝点で、得失点差によりギリギリ回避と、成績的にはさっぱり振るわず、「経済効果としてはゾンビのほうが上」という声もあったとかなかったとか。
そんな反省を生かしてか、今年はルイス・カレーラスという、テノール歌手みたいな名前のスペイン人監督を迎え入れるものの、開幕から第10節まで5連敗を含む1勝1分8敗と低迷。特に、この間挙げたゴールは、勝利した磐田戦のクエンカの1ゴールのみと得点力不足は深刻で、サポーターが作成した「9節までの全ゴール集」が涙を誘っていました。
結局カレーラス監督は10節終了時点で解任。昨年フィッカデンティ監督が解任されたとき同様に金明輝監督に交代となり、第11節以降は3連勝を飾り持ち直しの兆しを見せるものの、得点力不足はあまり改善の兆しがなく、11節のガンバ大阪戦で3得点を取った以外に2ゴール以上取った試合がなく、前線の豊富なタレントの割には豆鉄砲くらいの攻撃力に甘んじている次第。
さて、札幌は川崎戦で右足を打撲した福森が大事を取って欠場。福森のポジションには石川直樹が入りました。1対1の守備とカバーリングに関しては福森の穴を埋めるに充分…というか、どっちかというと守備に関しては福森がいるほうが穴とも言えるので、文字通り穴埋めになるのですが、福森には微妙な守備力をカバーしてあまりある暴力的な左足があります。さすがに直樹にそれと同じ仕事を求めるのは無理なので、福森がいない分、特にセットプレイをどうするのか、というのはある意味試金石でもあります。
そんな試合で、セットプレイから2ゴールを挙げてしまうのですから、案外なんとかなるもんですね。前半19分、この日初めてのコーナーキックで、ルーカスフェルナンデスからのボールを石川直樹がボレーで合わせて先制点をゲット。なぜかどフリーにしてくれた鳥栖の守備のまずさはあったものの、難しいバウンドをうまく合わせたナイスゴール。
さらに31分に、またしてもコーナーキックから、今度はジェイボスロイドが、マーカーをものともしない暴力的なヘディングシュートを叩き込んで2点目。ここのところすっかりおなじみとなった引いて守ってくる相手に対して、「福森がいなくてもセットプレイで2点取った」というのは、札幌にとってけっこう大きな意味を持ってくると思いますね。札幌相手に引いて守ってくるチームが多くなったという事実に、未だにそんなことがあるのかと信じられない自分がいるのもいい加減どうにかしたいのですが。
さて、前半で2点のリードを奪われてしまった鳥栖は、後半9分にイバルボを投入。膝の大けがでの長期離脱から復帰してまだ日が浅く、本来の調子ではないのでしょうが、鳥栖本来のイバルボを前面に出したゴリゴリスタイル、いわゆる「イバルボール」で札幌を崩しにかかります。検索してみたけど誰も使ってないわイバルボール。
この交代で一気に札幌は腰が引けてしまいます。もともとガッツリはね返す系の守備はあまり得意ではない札幌ですが、なかなかマイボールにすることができず、押し込まれる展開が続きます。そしてやはりというかなんというか、後半25分、左サイドからのクロスボールをクリアしきれず、こぼれ球を金崎に決められ1点を返されてしまいました。
なお、ソンユン激推しの我が娘、いつもソンユンのファインセーブで鼻息をスピスピ言わせているのですが、至近距離からダイレクトで打たれるGKノーチャンスなこの失点シーンでは、「見た!? ソンユンの尻餅めっちゃかわいかった!」と叫んでいたので、つくづくたくましい女だと思います。
さて、だいたい毎試合1失点はノルマ的な感のある札幌ですが、「守備の人数が揃ってるのにやられる」というのはやっぱりよっぽど流れが悪いときであり、こういう時ってえてして何をしてもうまく行かないものです。自分もこの間、家を出てから忘れ物に気づく、取りに戻ったせいで電車に乗り遅れる、次の電車で降りる駅を間違え、最終的に道を間違えるという「ついてないコンボ」をかまして、余裕を持って出たはずなのにギリギリになってしまったりしたことがあります。まぁ道に迷うのはいつものことなんですけど。
そんなわけで失点後もちょっと怪しい雲行きが続きます。札幌は失点直後にルヴァンカップで2ゴールを挙げて調子が上向いてきているアンデルソンロペスを投入。そのアンデルソンロペスは積極的にシュートを放つシーンも見られますが、得点は奪えず試合は終盤へ。
しかしこのままアディショナルタイムに入りたくないなぁと思っていた矢先の39分、相手の中途半端なバックパスを、重馬場をものともせずに走ったチャナティップがものにし、そのままドリブル。相手を引きつけながら出した横パスに走り込んでいた鈴木武蔵が、こちらも重馬場をものともせずさらに怒濤のドリブル。ワンフェイクで相手DFを交わしながら、左足でうまくコースを狙ったシュートがゴール左隅に決まり、追加点をゲットしました。
連敗中の鳥栖の心を折るには充分なこのゴールでかなり楽になった札幌は、そのまま逃げ切り。5位にまで浮上し、ACL圏内を射程圏に捉えました。
なお、この日は朝から雷を伴う大雨が降り続いた札幌。試合中もだいぶ激しい雨が降り続き、頭にもずくの塊が乗ってるみたいになってしまった鈴木むっちゃんを始めとして、多くの選手が残念な髪型になってしまう中で、なぜかいつもとほとんど変わらない髪型持していた深井一希選手の髪の毛は、いったいどうなっているんでしょうか。