2019明治安田生命J1リーグ第12節
FC東京 2-0 北海道コンサドーレ札幌
得点者:東/小川諒也(59’)、久保建英(69’) 札/なし
前節松本山雅戦で引き分けに終わり、連勝が途切れた札幌は、今節は無敗で首位をひた走るFC東京とのアウェイ戦です。リーグトップの5失点という東京の鉄壁守備陣に対し、リーグ3位の17得点という攻撃力を誇る札幌がどう挑むかという図式でしたが、実際のところ東京の攻撃力も4位タイの16得点と、札幌とこれといった差がないのに対し、札幌の守備はリーグワースト6位タイの15失点と大きく差があり、結局のところこれが0-2という結果に表れた格好。
試合はやはり東京ペース。札幌はルヴァンカップでの負傷で松本戦を欠場し、当初はこの試合の出場も危ぶまれたチャナティップが復帰したのはよかったのですが、やはりコンディションが万全ではないのか、らしくないボールロストが目立ちます。というよりかは東京の守備が良くいえばタイト、悪く言えばかなり荒っぽくて、札幌はこういうガツガツくるタイプのチームが割と苦手だったりしますよね。
中盤で変な形でボールを取られると東京の速いカウンターの餌食になってしまいますから、ある程度のリスクマネージメントはした上で、コレクティブに ポジショナルプレーをコミットしてエビデンスがコンプライアンスな感じで行ったり行かなかったりすみません荒野さんそこで横ドリブルして奪われないでくださいという本音。
まぁそんな感じでいくつかけっこうヤバいシーンはあったのですが、今日もいつものごとくソンユンが鬼のセーブで防いだり、相手のシュートが枠外だったりで大事には至らず。というか、永井との1対1を止めたシーンは圧巻でしたね。相手がシュートを打つタイミングであえて体重を右にかけて左を狙わせた上で、長い足で左に打たせたシュートをブロックする。松本戦での前田大然との1対1をあっさり止めたシーンも、引くのではなくペナルティエリアギリギリまで出て「頭上を狙うしかない」状況に逆に追い込んでたように、ソンユンは本当に駆け引きがうまい。まぁ、ソンユンの術中にまんまとハマる相手もどうかと思うのですけどね…。
ただ、そんなソンユンであっても、ゴール前で味方のびっくりプレイが出たらそりゃあびっくりしますよね。後半14分、自陣ゴール近くでボールを奪った札幌ですが、宮澤がクリアせずに繋ぐことを選んパスが味方と意思が合わず、こぼれたところを繋がれて最後は小川諒也に決められて失点してしまいます。
まぁセオリー通りで行くならば、あの場面の宮澤安全優先で前方に大きくクリアするか、もしくはタッチラインに出してプレイをいったん切るべき場面ではあったと思いますが、もしこのパスがうまく通っていたら、札幌はがら空きの相手左サイドを狙えてたわけで、たらればは結果論ですかね。あのミスを逃してはくれるほど、首位のチームは甘くなかったと言うことでしょう。
ちなみに小川諒也といえば、今オフに札幌がオファーを出してお断りされた選手です。移籍した選手が移籍元のチームからゴールを決めることを「恩返しゴール」と言いますが、オファーしたけどフラれた選手に決められるゴールはなんて言うのでしょう。お祈りゴール?
この直後から札幌は何かぶち切れたかのように反撃に出ます。16分には鈴木武蔵がうまく相手の裏を取ってシュートを放つも、ギリギリで戻ってきたDFに防がれシュートは枠外へ(この辺もうワンタイミング早くシュートを打てるようになれば、むっちゃんはもっと点を取れそうな気がするんですけどね)。その直後でも速いパス回しから完全に崩してチャナティップが狙い澄ましたシュートを放ちますが、ゴール裏から見てて100%決まったと思われたシュートはGK林彰洋の好セーブに阻まれゴールならず。
「泣くと強いんだゾ」状態になった札幌が追いつくのも時間の問題と思われましたが、前掛かりになった隙を突かれて24分にカウンターから久保建英にゴールを決められてしまいます。
昨年はFC東京を相手に0-2から大逆転劇を見せていますが、さすがに今季90分平均の失点が0.45点という東京を相手に、残り30分弱で3点を奪うのは至難の業。それでも1点でも返そうとあの手この手で攻め続けますが、FC東京の牙城を崩すことはできず、そのままタイムアップ。チーム全体としてはそこまで力の差は感じなかったものの、細かいところのクオリティの差が出たという試合でした。