2019明治安田生命J1リーグ第9節
ジュビロ磐田 1-2 北海道コンサドーレ札幌
得点者:磐/アダイウトン(83’) 札/アンデルソンロペス(6’)、進藤亮佑(45+2’)
3連敗の後セレッソ大阪と横浜F・マリノスに快勝し、再び連勝を果たした札幌。週中のルヴァンカップでもV・ファーレン長崎をけっこう殴り返されながらも圧倒し、悪い流れを完全に断ち切った勢いで、ヤマハスタジアムに乗り込みました。
かつては当たり前のように4点とか5点とか取られたり、死に物狂いでリードを奪ったのにロスタイムに同点ゴールを叩き込まれて延長でVゴール逆転負けを喫したりなど、まったくもって勝てないスタジアムではありましたが、2014年以降ではカップ戦も含めたヤマハスタジアムでの対戦成績は4勝1分1敗。磐田自体のチーム力が落ちている(というよりは黄金期の強さが異常だった)こともあるとはいえ、昔のような「鬼門感」はなくなっています。
もっとも、この当時は札幌の弱さも異次元だったので、磐田以外にも全国各地に鬼門があったのですけどね。鬼門というか内弁慶というか。
長崎まで遠征した出場したメンバーは疲労も残っているでしょうが、現時点ではベストと言える布陣で臨んだ札幌は、この日も開始早々の前半6分にアンデルソンロペスのゴールで先制。得点ランキングトップタイに並ぶ今季7ゴール目は、進藤からの縦パスをペナルティエリアの中で受けて、相手のマークをいなしつつ反転してゴールの隅に叩き込んだ難易度の高いシュート。相変わらずすごそうに見えないのにすごい。
幸先良く先制し、良くいえば気持ちに余裕がある、悪く言えば調子に乗りがちな、言ってみればチームの雰囲気がおおむね進藤な札幌は、この後も気持ちよく磐田ゴールを攻め立てますが、前半も終わり頃、アンデルソンロペスが膝を痛めたあたりから徐々に雲行きが怪しくなり始めます。
ロペスはトラップが大きくなって相手に取られそうになったボールを追って滑ってしまい、その勢いで相手に突っ込んでしまったので自爆ではあるのですが、変な体勢で膝をひねってしまったようで、いったんはピッチに戻ったもののすぐにプレイ続行は不可能となりました。
その後のチームの発表によれば、左膝靭帯損傷とのこと。り全治も書いておりませんが、本人のインスタグラムを見る限りでは患部をがっちり固定しているわけではなさそうでしたし、すでにボールを使ったトレーニングも再開しているようだったので、そこまで程度は重くなさそうです。3ヶ月コースかと思っていましたが、もしかしたら6月くらいには復帰できるかもしれません。
エースストライカーの突然の退場でしたが、この後の前半ロスタイムに得たコーナーキックで、福森からのボールをDF進藤亮佑が頭で合わせて追加点をゲット。結果としてこのゴールが大変大きかったのですが、進藤なのでプラマイゼロ。
そんなわけで、アウェイでの前半を2-0というのは申し分のないスコアで折り返した札幌ですが、何しろ札幌はホームでも2-0から追いつかれてACLを逃した輝かしい過去を持つチーム。しかもこの試合では、ボールをキープして相手のラインを引き下げることができる選手をすでに1人失っています。さらに磐田は後半頭から川又堅碁を投入。ケガ明けで万全ではないとはいえ、得点感覚や体の強さ、うちの娘が「このブラジル人だれ?」と訊いてくる風貌など、いろんな意味で日本人離れした選手です。
2点をリードしているのですから、札幌としてはそれほどリスクを冒して攻める必要はないはず。ところが、2点を追って前掛かりになる磐田に対して、札幌はよせばいいのに真っ向勝負で受けて立ちます。もちろん、3点目を取ってしまえば事実上試合が決まるとはいえ、アンデルソンロペスを失った状況では、前線の3人だけでカウンターが完結できるはずもなく、ボールを奪って前のめりに攻め込むまではいいものの、ボールを失って慌てて戻る参勤交代サッカーを繰り返します。
そうこうしているうちに札幌の足は止まってきて、徐々に磐田ペースへ。後半30分過ぎに、ゴールポストに激突した川又が退いてからもその流れは変わらず、後半38分にはアダイウトンに決められ1点を返されます。前半くらいには「昔はアダイウトンあんなに怖かったけど、今見るとなんかたいしたことねーなー」とか言っててすみません。やっぱり怖いです勘弁してください。顔も。ミドル級王者みたいだし。
その後も落ち着かないバタバタした展開が続き、正直観てる側としては追いつかれてもおかしくない流れで、正直万全ではなかったとしても川又が最後までピッチに立っていたらヤバかったかもという感じでした。なんとか逃げ切って3連勝。勝点を15に伸ばしました。