2019明治安田生命J1リーグ 第3節
北海道コンサドーレ札幌 5-2 清水エスパルス
得点者:札/鈴木武蔵(19’)、アンデルソンロペス(47’、49’、65’、69’) 清/松原后(49’)、滝裕太(83’)
それなりに長いことコンサドーレを見続けている中で、「忘れられない試合」というがそこそこあります。そしてそれは必ずしも勝った試合ばかりではなく、負けた試合も含まれます。つーか、もしかしたら負けた試合のほうが覚えていることが多いかもしれません。2005年のロスタイム3失点とかな! できることなら忘れてしまいたいのだけどな!
その中のひとつに、2001年5月3日に日本平スタジアム(現IAIスタジアム日本平)での清水エスパルスとの試合があります。
この年J1に昇格したコンサドーレは、開幕から好調を維持。第6節までで4勝1敗1分の2位という好成績を挙げていました。相手がナメてかかっていたことは薄々と感じていながらも、「なんだ、俺らJ1で充分やっていけてるじゃん!」と意気揚々と乗り込んだ試合で、完膚なきまでにボコボコにやられた試合でした。
詳しい試合内容は割愛しますが(ご興味のある方は当時の観戦記をご参照のこと)、単純なスコア差以上に、技術、戦術、フィジカル、すべてにおいて文字通り子供扱いされたことがひたすらにショックでした。
とはいえ、別にそれも清水エスパルスが悪いというわけではこれっぽっちもなくて、単に札幌が弱かっただけの話で(当時勤めてた会社の清水サポの社長に「コンサドーレ弱いなwww」と煽られた恨みはあるにせよ)、言ってみればジェリドのカミーユへの恨みもんで、大量失点した試合なんてほかにもあるっつーか、むしろ珍しくもない(自慢にもなんないけど)中で、あの試合を目の当たりにしてしまったが為に、清水への苦手意識というのがどうにも拭い去れなかったのですよ。やっぱり生で見た試合というのは印象が強いですから。写真とかだとあんまりぱっとしないけど生で見たらこの声優さんめっちゃかわいいとかよくありますからね。
それがですよ。アンデルソンロペスに、鈴木武蔵に、チャナティップに、ルーカスに、荒野に、ガースーに翻弄されて恐慌状態に陥り、失点を重ねる度に表情が消えていき、「もういいから早く終わってくれねぇかな」と言わんばかりのオーラを発している清水の選手の姿は、我々がかつてよく見ていた光景そのものでした。
我々ですらこうなのですから、あの2001年の試合でピッチに立っていた、清水市(当時)出身の野々村芳和社長の心境はいかなるものでしょうかね。
さて前置きが長くなってしまいましたが、この試合のヒーローは何と言っても4ゴールを挙げた上に、2009年の菅井直樹さん(ベガルタ仙台)以来のイリュージョン落下を果たしたアンデルソンロペスですが、先制点を挙げて勝ち越しにつながるPKをゲットして、泣きのロペスにPKを譲り、結果的にはロペスの爆発のチャッカマンとなった鈴木武蔵はもちろん、絶妙なアシストを果たしたチャナティップやルーカスフェルナンデスら、良くなかった選手が誰もいないというのは、特筆すべきことかと思います。いい意味で進藤さんが目立ってなかったことがその証明でしょう。
前半開始当初こそいまいち噛み合ってないな、という感じだったのですが、それを試合中に早めに修正してペースを取り戻すあたり、まるでJ1チームみたい。「誰か1人2人を封じれば勝てる」という感じではなさそうなので、なんか今年は本当にやってくれるのではないか、という予感がします。まぁまだ早計かもしれないですけどね。
懸念材料と言えば、現メンバーにかなり最適化されたサッカーになっているので、駒井がケガで長期離脱を余儀なくされている今、ケガや出場停止などでレギュラーメンバーが欠けた際にどういう感じになるか、というところでしょうか。
もちろん、どのチームにも「換えの効かない選手」はいるわけですが、今の札幌の場合どっちかというと「誰も寝てはならぬ」といった印象があります。控え組の奮闘を期待したいところですね。