2019ルヴァンカップグループリーグA 第1節
横浜F・マリノス 1-1 北海道コンサドーレ札幌
得点者:横/大津(56’) 札/ジェイ(49’)
リーグの開幕から遅れること2週間、今年もルヴァンカップが開幕しました。昨年、「ベストメンバー規定」の付帯条項が削除され、事実上の撤廃となった今季は、ようやく「あれこれ考えずにターンオーバー」が可能となっています。正直ただの足枷でしかない規則が今まで残り続けたのは甚だ疑問ではありますが、それをなくすことを是とできるくらいには、日本のサッカー界が成熟してきたとポジティブにとらえましょう。
というわけで、多くのチームと同様、ミシャ監督も大胆に浦和戦からスターティングメンバーを全員入れ替え、初戦に臨んでいます。浦和戦で出場時間の短かったジェイや早坂良太らを始め、岩崎悠人や中野嘉大といった移籍新加入組が初スタメン出場。中でも注目は青森山田高校を選手権優勝に導いた注目のルーキーMF檀崎竜孔でしょうか。
なお、今回の遠征は、ベンチには現役ユースの大和蓮くんを含めても5人しかいないという省エネ遠征となりました。もともと今季は登録人数が少ないとはいえ、エコポイントとして勝点6くらいくれてもいいんじゃないですか国土交通省。
対する横浜F・マリノスもリーグ戦とは大幅にメンバーを入れ替えてきています。とはいえ、大津祐樹、李忠成、扇原貴宏など、リーグに普通にスタメンで出てておかしくないような選手が顔を並べるマリノスのメンバー。それだけでも厄介なのに、土曜日のリーグ戦にフル出場した三好康児の名前まであるじゃねぇか。ちょっと待てやおい。
次節のリーグ戦でのマリノスの相手が三好のレンタル元である川崎フロンターレで、昨季同様川崎との公式戦には契約上三好が出場できず、試合間隔が開くためにこちらの試合で使ってきたのだと思いますが、あのさぁ…そういうことよそうや…。ちゃんと「『古巣』との公式戦で三好を出してはいけない」って契約に書いてあるでしょう…? 困るんですよねそんなことされちゃ…。
そんなわけでその三好を核とするマリノスの攻撃陣に翻弄され、浦和戦とは打って変わってボールを前に運ぶことができないコンサドーレ。前にボールがいかないのであれば、トップにいるのがジェイ・ボスロイドであろうが、二日酔いのテレだろうが大して変わりませんね。
それにしてもわかってはいましたけど、敵にすると本当に厄介ですね三好。とはいえ三好もシュート精度は相変わらず荒野レベルのままで、なんとかゴールを割らせずに前半終了。よく無失点でしのいだという感じ。
そんな状況でも先制したのは札幌でした。後半4分、右サイドの中野嘉大からのグラウンダーのクロスを、ペナルティエリアの中で待ち構えていたジェイが、ボールの勢いをちょこんと変えるだけの技ありシュートで合わせてゴール。ああいうところはさすがの元イングランド代表。二日酔いのテレであれば、ペナルティエリアの中どころか、すでに自宅に帰されてるところでした。
しかしこれで火がついたか、ここからマリノスの猛攻が始まります。GK菅野孝憲の好セーブなどで防ぐものの、こりゃあまぁ時間の問題だろうなぁと思ってたところで、後半11分に三好のパスからの李忠成の折り返しを、フリーの大津が確実に決めて同点に。
これ以降もペースは以前マリノス。後半中頃から札幌も盛り返す…というよりはだいぶオープンな展開になったという感じですが、お互い猫パンチを繰り出すものの致命傷を与えるまでには至らず。檀崎もカウンターから左足でいいシュートを放つシーンがありましたが、ゴールをこじ開けることはできませんでした。
結局このまま1-1で試合終了。いまだキャンプ中でマリノス相手のアウェイ戦という厳しい状況で、勝点1をゲットしたことについては、ポジティブに捉えていいかと思います。
とはいえ、光るものを感じさせながらも、現時点ではリーグ戦でのポジション争いに食い込むまでに至っている選手は、残念ながらいなかったという感じではありました。今後に期待したいですね。