明治安田生命J1リーグ 第19節
V・ファーレン長崎 2-3 北海道コンサドーレ札幌
得点者:長/米田隼也(72’)、ヨルディバイス(88’) 札/ジェイ(51’)、チャナティップ(75’)、都倉賢(90’+4)
長崎でのアウェイ戦は2年ぶり。正直に言えば、札幌が昇格した2016年の長崎は不祥事続きで、かつて不祥事のデパートと呼ばれた「キングオブ不祥事」のコンサドーレのサポーターから見ても、「かつてのコンサドーレですらここまでではなかった(たぶん)」という不祥事ばかりで、この先長崎と試合をすることは当面ないと思ってたのですけど、よく立て直したものですね、本当に。
札幌は18節の名古屋グランパス戦が台風の影響で順延となり、猛暑が続く中で過密日程でのアウェイ連戦が回避できたことは前向きにとらえたいですが、代替の日程はまだ発表されていません。そうでなくとも某サッカーの世界大会の影響で日程が詰まってる中で、そのしわ寄せが後に来そうではあります。キャリア決済で課金して、あとから請求見てびっくりするアレ。
札幌にとってはこの時期、何よりも敵となるのが内地の蒸し暑さ。この試合も夜のキックオフながら気温29.4度、湿度が80%もありますから、体感温度は30度以上でしょう。札幌とはまったく違う気候が最大の敵になるのは間違いなく、「いかにちんたらやって勝つか」というところです。とはいえちんたらやって勝てるようなチームは基本的にJ1にはいないのが最大の問題。前半はどちらかといえば札幌ペースでしたが、あと長崎の新戦力のヨルディバイスがけっこう効いてて堅いので、なかなか決定的なチャンスを作れません。
前半終了間際の42分に、進藤の完璧なクロスからジェイの完璧なヘディングシュートを叩き込んだものの、岡部主審がジェイのファウルとしてノーゴールの判定。なんでや! あれがファウルなら2015年の熊本戦での巻誠一郎のゴールなんて余裕でファウルやろ! あんなくらいで笛吹いてプレミアリーグを目指せるというのか!(※目指してない)
そんなわけで前半は0-0で終了。
後半も同じような展開ながらも、少しずつ長崎にペースを持って行かれそうになった矢先の後半6分、チャナティップがボールを奪って三好にパス、三好からのちょっと雑目のパスをジェイがうまいことコントロールし、左足を振り抜いたバズーカのようなシュートが一直線にゴールに吸い込まれます。前半決めたゴールはまぼろしにされてしまいましたが、今度はけっこうなゴールをもぎ取りました。最後は「俺の名を呼んでみろ」と言わんばかりに耳に手を当ててデビルイヤー。
首尾よく先制した札幌ですが、ここから長崎の逆襲に遭います。後半27分、コーナーキックから折り返されたボールのクリアが中途半端になったところを米田に決められ同点に追いつかれました。
先制点以降はさっぱり足の止まっていた札幌だけに、ここから再度突き放すのは難しそうだと思っていたので、ちょっとトイレに行ったそのすきに、失点からわずか3分後にチャナティップが鋭いドリブルからゴールを決めて再びリードを奪いました。入れるなら入れるって先に言っておいてくれないか。
今度こそリードを奪い、あとは逃げ切るだけだったのですが、ところがここですんなり終わらないのが札幌さん。後半ももう終わり間近の43分、ヨルディバイスになんかストライカーみたいなゴールを決められて、再び同点に追いついてしまいました。なんだあれ。センターバックだったよねこの人。金園くんよりシュートうまくないか。
土壇場で追いつかれた札幌は、それだけならまだしも、さらにアディショナルタイムにサイドを完全に崩されてからの折り返しのパスがフリーの翁長に渡ったときは、シュートまでのわずかの時間に生まれてからこれまでの悪行(例:ついANAに乗ってしまった、つい花○牧場を買ってしまった)をひたすらに悔いたサポーターも続出したとかしないとか。
その懺悔が聞いたのか、翁長のシュートはゴールの外へ。よかった。「ひょうきん懺悔室」だったら水かけられているところだった。
逆にその直後、駒井のミドルシュートをGKがはじいたボールを交代出場の石川直樹が相手DFと競り合いながら詰めると、ボールはこれまた交代出場の都倉賢の元へ転がっていきます。こういうボールがこぼれてくるのがストライカーなんでしょうね。これを難なく押し込み、三度リードを奪った札幌が今度こそ逃げ切り、1試合少ないながらも4位に浮上しました。
ちなみに、とっくんはこれでコンサドーレでの通算ゴール数が62となり、ホルヘ・ルイス・デリーバルデスを抜いて歴代1位になったそうです。2014年に札幌に移籍してきてから足かけ5年目での快挙達成となります。
62ゴールというのももちろん大した数字なのですが、デリーバルデスの記録が20年も更新されなかったのは、ひとえに「点を取れるストライカーは、札幌でゴールを積み上げる前に引き抜かれてしまうから」という、悲しい運命があったからであります。
とっくんにしても2015年にはJ1に昇格した松本山雅FCからオファーがあったとのことですが、そこで札幌に残らなければ当然この記録は生まれてませんし、それからも長くいてくれたからこその記録でもありますね。ありがとうございます。これからも是非よろしくお願いします。