2018年明治安田生命J1リーグ 第4節
北海道コンサドーレ札幌 2-1 V・ファーレン長崎
得点者:札/ジェイ(53’)、チャナティップ(90+4’) 長/翁長聖(82’)
J1リーグ第5節。北海道コンサドーレ札幌は、ホームにV・ファーレン長崎を迎え撃ちました。
長崎は今年がJ1初挑戦ですが、これまでのところリーグ戦の成績は1敗2分と、去年の札幌(2敗1分)よりかはいい成績を挙げています。というか、ルヴァンカップでは初勝利を挙げていますので、カップ戦含めても勝利のない今年の札幌よりもいい成績ですね。
まぁそんなのは見なかったことにして、ここはJ1の先輩として、新参者にJ1の厳しさを教え込んでやろうではありませんか。こちとら、J1の厳しさなら一晩あっても語り尽くせないくらい知ってるチームですからね。具体的には、都合3回くらい史上最速で降格したくらい。あと3年以上J1にいたことないし。僕たちがいったい何をしたっていうんですか。もう少しくらい優しくしてくれてもいいじゃないですか!
で、その先輩ですが立ち上がりから積極的にプレッシャーをかけてくる長崎にぜんぜんいいとこなし。「僕のような不幸な人は僕を最後にして欲しい」と言わんばかりのしおしお対応。
結果が出なくてもメンバーをいじらないミシャ監督、この試合でもケガで離脱した宮澤の代わりに荒野が入っただけで、他は前節までとまったく同じメンバーだというのに、練度が上がるどころかむしろ今までで一番悪い。
その荒野さんもルヴァンカップではいい動きを見せていたのに、この日はやけに判断が遅く、ボールを持ってからパスの相手を探す間に長崎に詰められ、苦し紛れのパスをカットされるシーンが目につきます。周囲の動きが今までと違うんでしょうかね。
悪いのは荒野だけでなく、いつもなら2人くらいが相手なら単独で状況を打破できる三好もなんだかボールが足につかない状況。なんかプライベートでイヤなことでもあったんでしょうか。
そんなわけでいつもの通り変な奪われ方をしてはカウンターを受け、ゴール前まで攻め込まれるという繰り返し。0-0で終わったのは相手のミスに助けられただけ、としか言えませんね。
全然関係ないですけど、試合を見てたうちの娘、長崎のFWファンマをずっと「いなりずし」って呼んでました(髪型がいなり寿司に見えるだからだと)。
とはいえ、長崎にしてみれば「決めるべき時に決められなかった」ということになるわけで、果たして先制したのは札幌でした。後半8分、こぼれたボールを忍者のような身体の使い方でマイボールにしたチャナティップが、切り返し一発でマーカーを振り切ると、相手DFの間に抜けるジェイにスルーパスを通し、これをジェイが左足で冷静に流し込んでゴール。
こういう「ビッグチャンス」って、むしろGKに止められるか、狙いすぎて外す予感しかしないのですが、さすが1キャップだけとはいえ元イングランド代表、抜け出した時点で安心して見ていられましたね。この感覚、俺王様以来。今季初めての足でのゴールと、先制点だったりします。
後半24分、いまいちだった三好に代えて兵藤を投入して中盤を活性化させると、33分にやはりいまいちだった荒野を下げて都倉を入れ、相手のDFラインを引き下げる作戦に出ます。ベンチも珍しく的確な選手交代でしたが、それでも隙あらば失点するのが今季の札幌。37分にいなりずし…いやファン魔のシュートの跳ね返りを翁長に決められ同点ゴールを許します。
どうしても勝ちが欲しい、というよりはホームで長崎にも勝てないんならあとどこに勝つねんというミシャが採った作戦は、石川直樹を入れて福森をボランチに上げるスクランブルモード。そう、この福森砲台からのツインタワー大作戦、これこそが実はミシャサッカーの最終進化形。宇宙戦争だってどんなに機動兵器が進化しようが、最終的にはコロニーレーザーで決着をつけるのと同じです。
で、ほぼ最後のプレイとなったロスタイムも4分その福森からの放り込みからジェイが頭で落としたボールをチャナティップが頭で押し込んで決勝点。TV中継だとチャナティップが完全に他の選手に隠れて見えなかったので、最初はオウンゴールかと思ったくらいです。まさに忍者。
そんなわけで今季初勝利は若干ミシャのサッカーとはほど遠い得点ばかりでしたが、結局のところ「ボール動かしながら暴れはっちゃくしようぜ」ってのと、「四の五の言わずに物理で殴ろうぜ」っての、両方できるに超したことはないですよね。ストロングポイントは多ければいいし、タフすぎてそんはない。ストロングゼロはノーサンキュー。